12日付けで弥生の社長職を退任する平松氏(左)と飼沼次期社長。(撮影:東雲吾衣)

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ライブドアの子会社で会計ソフトの弥生(本社・東京都港区)は7日、飼沼(かいぬま)健副社長が12日付けで社長に昇格するトップ人事を発表した。平松庚三(こうぞう)社長は会長に退き、ライブドア社長としてグループの再建に専念する。

 同日行われた記者説明会で、平松社長は「非常にいい5年半だった」と就任期間を振り返る一方、「ビジネスが安定した今こそがもっとも危険だ」と新体制に課題を示した。飼沼次期社長は「製品の改良などを通じて、信頼や期待を維持していきたい」と意欲を示した。

 中小企業向け業務ソフト市場で首位の弥生は、親会社の強制捜査後も着実にシェアを伸ばし、3月第2週には、初めて本数ベースで50%を達成した。飼沼氏はライブドア事件について「寝耳に水だった」としたものの、事件後に50%までシェアを伸ばした経緯を説明し、「事件にかかわらず、市場からの評価は非常に高い」と製品への自信をのぞかせた。

 06年9月期の単体業績予想は、前期比11.6%増の80億4700万円、営業利益は同9.2%増の31億9700万円を見込んでいる。今後は、新事業の立ち上げやUSENグループとの業務提携などを通して収益を拡大していきたい考えだ。【了】

◆飼沼健(かいぬま・けん)1955年岐阜県生まれ。東京外国語大学卒業後、吉田工業(現YKK)に入社。2003年に弥生に入社し、CFO(最高財務責任者)や取締役副社長などを経て、06年2月には代表取締役副社長に就任。

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