約880人が出席したニッポン放送の第72回定時株主総会(撮影:吉川忠行)

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ニッポン放送<4660>は24日午前、東京都千代田区の東京国際フォーラムで、定時株主総会を開いた。上場企業としては最後となることもあり、昨年の出席者数90人をしのぐ約880人の株主が出席した。

 フジテレビ<4676>とニッポン放送は今月10日、産業活力再生特別措置法第3条に基づく「事業再構築計画」を総務省に申請し、認定を受けた。これにより、フジテレビは一般株主から残りのニッポン放送株を1株あたり6300円で全株買い取り、9月1日付でニッポン放送を完全子会社化する。

 同総会では、同社の亀渕昭信社長が一連の騒動について陳謝。株主からは株の買い付け価格6300円の妥当性や、ライブドア<4753>による同社株大量取得への説明責任を問う厳しい意見が続出、経営陣に当てられたという。

 同総会は、午前10時に始まり、約3時間に及んだ。退場する株主からは、「7000円台で買ったのに損をした」「リスナーとしては継続的に保有したいのに、強制的に買い取られては納得できない」「資本の論理を知らない者が会社の経営をしている」などの疑問や不満を呈する声が聞かれた。

 ライブドアから参加した園田崇副社長は、記者団に対し「亀渕社長が大変真摯に説明されていた。(一般株主からの株式買い付けは)大株主として納得している」と答えた。

 「もの言う株主」として知られるM&Aコンサルティング代表の村上世彰氏も出席。「もともと上場する必要がなかった会社。時間がかかったけれど上場廃止の大英断をされたことには感謝している」と同社の判断に理解を示し、「(フジテレビに対する)新株予約権の決議はありえなかった。ライブドアが差し止め請求するよりも自分が請求する方が良かった。ほとんどの個人株主はショックだった」と一連の騒動を振り返った。【了】

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