【米国はこう見ている】来季も日本人投手がメジャーを席巻? 米野球専門データサイトが4投手の2桁勝利を予想
米データサイトが来季成績を予測、ダルビッシュがメジャー2位タイの14勝?
来季も日本人投手の旋風は続くだろうか。野球専門の米データサイト「ファングラフ」に、複数のデータから割り出された2015年の投手成績予想が掲載された。日本人では、レンジャーズのダルビッシュ有投手がメジャー2位タイの14勝を挙げるとされるなど、今季と同じ4人が2桁勝利に到達すると見られている。
今季、21勝3敗、防御率1・77の圧倒的な成績でMVPとサイ・ヤング賞をダブル受賞したドジャースのクレイトン・カーショーが、メジャートップの15勝(9敗)と算出されるなど、予想は全体的に辛め。その中で、日本のエースが“健闘”している。
ダルビッシュの14勝(9敗)は、フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)、クリス・セール(ホワイトソックス)、デビッド・プライス(タイガース)、マックス・シャーザー(タイガースFA)と並ぶ2位タイ。いずれもメジャーを代表する、そうそうたる投手たちだ。
ダルビッシュは30試合に先発して投球回数は192イニングに達し、トレードマークの奪三振はセール(220個)、シャーザー(219個)を抑えてリーグトップの224個に達すると算出。防御率は3・25、WHIP(1イニングあたりの安打+四球)は1・17と、すべてメジャートップレベルの数値がはじき出されている。
今季、日本人トップの15勝(9敗)を挙げた岩隈久志投手、ヤンキースで鮮烈なメジャーデビューを飾り13勝(5敗)をマークした田中将大投手は31試合の先発で、ダルビッシュよりも1勝少ない13勝と予想されている。
いずれも投球回数は192イニングで与四球38と算出されており、与四球率(9イニングあたりに与える四球数)1・77は、先発投手ではリーグ4位タイという優秀な数字。元楽天のWエースのコントロールの良さはメジャー最高級という評価だ。一方、奪三振率では岩隈の155個に対して、田中は172と上回っている。
防御率は岩隈が3・49で、田中は3・44。WHIPは岩隈が1・16、田中が1・12と、いずれの部門でも似通った数字が並んでいる。ただ、すべてがリーグ上位10人には入っており、メジャートップクラスの先発投手という評価は変わらないようだ。
来季は日本人投手の合計勝利数が過去最多の68勝に?
ヤンキースからFAとなり、現役引退や古巣・広島へ復帰する可能性も報じられている黒田博樹は、12勝(10敗)と算出された。今季は投球回数が199イニングと4年ぶりに200イニング登板が途切れたベテランは、32試合に先発して182イニングを投げると分析されている。
今季もヤンキースの先発ローテーションを1人だけ守り抜いた丈夫さと、抜群の制球力で確固たる地位を築いてきた右腕。与四球は岩隈、田中と同じ38個で、WHIPは1・22と予想。来年2月には40歳となるが、防御率は3・72と算出されており、今年(3・71)とほとんど変わらない。メジャーのローテーション投手として十分すぎる成績を残せる数字だ。
今季途中に悲願のメジャーデビューを果たしたカブスの和田毅も先発ローテーションに入ると予想されている。25試合に登板し、144イニングを投げると分析。今季(4勝4敗)の倍となる8勝を挙げながら、9敗と黒星が1つ先行するとされた。
防御率も4・12と、今年の成績(3・25)に比べると厳しい数字。最大の目標は1年を通して先発ローテーションを守り抜くことになるが、その中で今季と同じようなピッチングのクオリティーを維持できれば、分析を上回る成績を残せるだろう。
救援陣ではレッドソックスの上原浩治、田澤純一がともに4勝と算出されており、全員を足すと68勝。日本人投手全員のシーズン合計勝利数は、この予想通りならば、今季の「66」が過去最多だっただけに、来季はさらに記録を伸ばすことになる。
松坂大輔が日本に復帰し、オリックス・金子千尋はポスティングシステム(入札制度)によるメジャー移籍を断念。広島・前田健太の渡米も可能性が低いと見られている中で、新たな歴史を刻むことができるのか。黒田の去就が鍵となり、すべての選手が健康に1年を過ごすことも重要な条件となるが、今回の辛めの分析よりも多くの勝利数をつかむ投手もいるはず。来季も日本人投手の活躍に期待してよさそうだ。