大炎上「メイソウ」行ってみた、日本・中国から批判殺到のパクリ店。

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先日、日本のネットで話題になった中国広東省発の生活雑貨店「メイソウ(名創優品)」。日本の100円ショップ同様、店内の商品を均一価格(10元=約165円)で販売する形態の小売店だ。同店が日本で注目された理由は、その名前や形態が「ダイソー」、ロゴや店舗デザインが「ユニクロ」、取り扱う商品が「無印良品」に似ており、「パクリじゃないか」と関心を集めたため。さらには「渋谷区神社前」という架空の本社所在地、須藤元気率いるダンスパフォーマンスグループ「ワールドオーダー」の楽曲の無断使用、三宅順也というブランド創始者の謎の日本人でっち上げなども発覚するなど、問題だらけだと見られている。そこでどのようなお店なのか、ナリナリドットコム中国特派員が広東省深セン市にある同店を訪問してみた。

今回訪れたのは深セン随一の繁華街として知られている東門にある、3月下旬にオープンしたばかりの新しい店舗だ。「メイソウ」は2013年9月、広東省広州市に1号店をオープンして以来、佛山市に2号店、江門市に3号店と次々と出店していき、すでに50以上の店舗数を誇る一大チェーンと化している(※同社の出店計画によると、年内に300店舗まで増やす予定)。ここ深セン市にも多くの店舗を構えているが、そのほとんどは比較的コストのかからない郊外に誕生しており、中国人中所得者向けに大都市中心部で店舗数を増やしている日本の「ユニクロ」や「無印良品」とは少々異なる営業戦略を取っている。

商品のラインアップは生活雑貨がひと通り揃い、店舗の大きさにもよるが、少なくとも200種類以上はあるようだ。キッチン用品や化粧品、食料品、文房具、衣料など、所狭しと並べられた商品は「日本輸入」と謳うだけあって、中国のほかの10元ショップの商品よりもお洒落なパッケージで包装されている。特派員が訪れたのは平日の夜だったが、多くの客で賑わっており、そのほとんどが女性、もしくはカップル。特に決まった人気商品があるわけではなく、それぞれ興味のある分野の商品を手に取っては眺めたり、テスターを試したりしていた。

気になるのは、日本でも問題視された「日本輸入」「日本ブランド」という同社の触れ込みだ。店内には確かに「日本輸入」の貼り紙もされており、事情をよく知らない人からすると、「日本製」と勘違いしてしまう雰囲気。ただ、それぞれの商品の説明書きには「メイド・イン・チャイナ」とはっきり記されており、商品が「日本製」なのか「中国製」なのか、ややこしい印象を受ける。

近くの店員に「日本からの輸入品ですか?」と聞いたところ、「そうです!」と自信満々に答えたが、続けて「でも裏に中国製と書いてありますよね?」とツッコミを入れると、「よくわからない」とごにょごにょ。

また、店の入り口でマイクを持って客の呼び込みをしていた店員にも「輸入品ですか?」と尋ねたところ、これまた「そうです」と答えた。「どこからの輸入品ですか?」と続けて尋ねると「日本です」という。いまいち事情がはっきりしないというよりも、そもそも店員が何も理解していない可能性のほうが高い。

ただ、商品に記されている日本語はほとんど、もしくは一部が破綻しており、同じ商品が日本で売られているとは到底思えない。「日本輸入」というのはウソだろう。

また、「日本製品」だけではなく、「韓国製品」も数多く売られていたが、こちらはハングルが理解できなかったため、本当に韓国の製品なのかどうかを確認することはできなかった。ただ、日本語同様、こちらも「なんちゃって韓国語」の可能性もある。

ちなみに、店内にいた客は「この値段で日本製品を買えるなんて素晴らしい!」と「メイソウ」の触れ込みを完全に信じ切っている人もいれば、「本当に日本製なのかなぁ?」と半信半疑の人、「どっちでもいいや、安いし」という人まで実に様々。全商品10元という手頃な価格設定であるため、もしかしたら「騙されてもいい」といった心理が働いているのかもしれない。また、同店の客層は出稼ぎ労働者がほとんどで、日本や日本語に理解がなく、日本のことは上辺だけしか知らない人たちだ。「メイソウ」がメインターゲットとなるこうした人たちの現状を理解した上で、「日本輸入」という触れ込みを使っているのだとしたら、かなり悪質と言えよう。

なお、「メイソウ」の公式サイト(http://miniso.jp/chinese/)は4月25日現在、「工事中」と表示され、閲覧不可になっている。去る21日、日本のネットで「メイソウ」が注目を浴び、その騒ぎを知った中国人のネットユーザーが微博(中国版ツイッター)で紹介、結果として「これは詐欺だろ!」と中国人の間でも騒動と発展してしまったことが影響しているものと思われる。