『戦争と一人の女』 (C)戦争と一人の女製作運動体
 元文部科学省官僚で映画評論家の寺脇研が「見たい映画がないのなら、自分たちで作ってしまおう」という趣旨のもと、企画・プロデュースした官能的な文芸ドラマ『戦争と一人の女』が、ゴールデンウィークより公開される。故・若松孝二監督の下で映画作りを学んだ井上淳一が初監督を務め、若松プロ出身の荒井晴彦、中野太が脚本を手がけた本作は、描写の過激さからR18指定作品に。その内容が垣間見える予告編が解禁となった。



 原作は“明るいニヒリズム”に満ちた坂口安吾の同名小説とその続編。太平洋戦争の末期の東京で、時代に絶望した作家は飲み屋を営む元娼婦の女と刹那的な同棲を始め、貪るように体を重ねる。一方、中国戦線で右腕を失った帰還兵は、精神的後遺症から妻との性交渉ができなくなっていた…。

 飲み屋の女将を演じるのは『ユリ子のアロマ』などでも倒錯的な演技を披露した江口のりこ。本作品では自分の欲望に忠実に生きる女としてベッドシーンに挑戦し、空襲の最中うっとりした表情を浮かべるなど、狂気を感じさせる演技を披露している。虚無に苛まれた作家役に永瀬正敏、戦争を十字架のように背負った帰還兵役を村上淳が、下世話な町工場の親父を柄本明が演じるなど、寺脇の趣旨に賛同した実力派キャストが集結。戦争から逃れられず、狂乱の日々に縛られた人々の人間模様を映し出す。

 『戦争と一人の女』は、GWテアトル新宿ほか全国公開

【作品情報】
『戦争と一人の女』 - 公式サイト
@sensou_to2012 - 『戦争と一人の女』公式Twitter

MOVIE ENTERのTOPへ