メインの決勝戦を膝十字による秒殺勝利で締めた小谷直行。「ZSTのエース」と呼ばれ続けた男が、遂にその証となるベルトを手にした

写真拡大

11月23日、東京・ディファ有明では、格闘技イベント・ZST(ゼスト)が旗揚げ10周年記念大会「ZST.33」を開催した。

2002年に発足したZSTは、当時、活動停止となったリングスの流れを汲む格闘技イベントとして注目を集め、一本決着を目指すべく、時間切れによる判定決着(トーナメント戦を除く)をなくすといった独自のルール制定や、格闘技におけるタッグマッチの導入、華やかな演出、ユーモア溢れる選手紹介など、独自の道を切り開き、人気を博してきた。

そんなZSTの10周年は、ウェルター、フェザー、フライの3階級で王座防衛戦が。ライト級では王座決定トーナメント・ベスト4戦が組まれる史上最高のラインナップとなったばかりか、ウェルター級タイトルマッチ=山田哲也×濱岸正幸は3度目の対戦、フェザー級タイトルマッチ=奥出雅之×伊藤健一は6度目、フライ級タイトルマッチ=田沼良介×矢島雄一郎は3度目の対戦という、過去何年にも渡って鎬を削ってきた者同士による集大成の大一番がこれでもかと並んだ。

結果、3大防衛戦は、山田、奥出、田沼、3人の王者が熱戦を制し、王座防衛に成功。ライト級王者決定トーナメントは、旗揚げ戦でもメインイベントを務めている小谷直行が、平信一(準決勝)、森興二(決勝)を破り、この10年間を第一線で支えたZST最大の功労者が、ライト級初代王者に輝いた。

試合後には、ZST上原代表より、トーナメントを制した小谷に贈られるはずのチャンピオンベルトが、トラブルにより間に合わなかったことが告げられると、なんと上原代表は夜なべして作成したという手作りのチャンピオンベルトを小谷に贈呈。小谷がベルトを掲げると、ファンからは温かい拍手が沸き起こり、記念大会はアットホームなエンディングを迎えた。

ZST公式サイト