「韓流タレント入国禁止案」も 年末歌番組のK-POPはどうなる
李明博大統領の「天皇陛下に謝罪要求」発言や野田佳彦首相の親書返送問題などで、日本国内の反韓感情は徐々に高まってきている。国会でも「韓流スターにビザが下りないようにするなどの措置を」という提案が出されるほどだ。
「レコ大」や「紅白」など年末の歌番組でもK-POP勢がおなじみとなりつつあるが、今年は出演できるのだろうか。
反日タレントに「なぜかビザが下りない」提案
2002年にBoAさんがNHK紅白歌合戦に出場してから、年末の歌番組にK-POP歌手やグループが目立つようになってきた。11年には、フジテレビ系「FNS歌謡祭」にはKARA、少女時代、BoAさんの3組。テレビ朝日系「ミュージックステーションスーパーライブ」には東方神起、少女時代、KARAの3組。NHK紅白歌合戦にはKARA、少女時代、東方神起の3組が出演。TBS系「日本レコード大賞」では優秀作品賞に東方神起、新人賞に2NE1がノミネートされた。
しかし昨今の日韓関係悪化で、インターネット上では「韓流は自粛を」「K-POP不要」という声も上がっている。
追い討ちをかけるように、みんなの党の浅尾慶一郎衆議院議員が2012年8月23日の衆議院予算委員会で
「有名な韓国の映画俳優等も泳いで竹島に行っているということでありますけれども、泳いで行っている人が仮に何らかの営業目的で日本に来る場合当然ビザが必要になってくるだろうと。なぜかそういう人にはビザが下りないっていうことで、ある種のメッセージを送るってことも、(中略)そういうことを何か決めておくということは、重要なんではないか」
と、政治的パフォーマンスを行う韓流タレントの入国ビザを止めることを提案。これを受けて、インターネット上では「出稼ぎ韓国人は入国禁止」「野放図な反日韓流スター流入には断固反対」などと書き込まれている。
「政治と芸能関係ない。日本が太っ腹見せよう」
「反韓流」感情が高まり続ける中、これまで通り年末の歌番組にK-POP勢が出演することはありえるのだろうか。
音楽評論家の加藤晋さんは、「ある程度は出演するだろう」と見ている。国民感情に多少配慮してあまり名の知られていないグループなどを積極的に出すことはないだろうが、東方神起や少女時代、KARAなど、日本でも有名だったり売れていたりと「必然性のある」グループが出演するのではないかとのことだ。日本は文化交流の面でも「なるべく波風を立てない、大人しくしておこう」という空気があるので、テレビ局は「K-POP締め出し」のようなことは避けるだろうと話していた。
一方、芸能評論家の肥留間正明さんは「K-POPの紅白出場がゼロになる可能性もある」と指摘する。11年は3組の出場だったのが12年はもっと増えるのではないかと日本の音楽業界が危惧していたところに、李大統領の竹島不法上陸や天皇陛下を侮辱する発言があり、完全に日本人に「反K-POP感情」を植えつけてしまった。NHKは国民から受信料を徴収しているだけに、世論を無視できない。これからもっと反感が高まっていけば、K-POP勢の紅白出場はないこともありえると見ている。ただし、肥留間さんは「政治と芸能は関係ないのだから、韓流が好きだった人は今まで通り応援すればいい。せっかく日韓で親しい文化交流が始まっていたのだから、ここで日本が太っ腹を見せようじゃないか」と話していた。