Kuroda's two-hitter 

ヒロキ・クロダが本領を発揮したらどうなるのかを、マーク・テシェイラは知っている。

2008年7月、ドジャースで投げていたクロダが完全試合に近づいていた時、その試合の8回に二塁打を打ち、クロダの名前が歴史に残るチャンスを奪ったのが、当時ブレーブスにいたテシェイラだった。

火曜日の夜、クロダのチームメイトのテシェイラは、その右腕が記録に向かって走る手助けをした。クロダは7回の先頭打者だったエルビス・アンドロスにヒットを打たれるまで、ノーヒットを続けていた。そしてテシェイラとジョー・ジラルディ監督は、ニューヨークがレンジャーズを3-0で下した試合でのクロダの投球が、今シーズン先発したヤンキース投手陣の中で、一番良いパフォーマンスであることで意見が一致した。

クロダは最近3回の先発でも好投を見せていたが、打線の援護が得られずに勝利からは遠ざかっていた。クロダは再び勝利に向かって投げ、今日のクロダのチームメイトは、彼を援護した。ニック・スイッシャーとテシェイラが、7回に連続ホームランを放ち、クロダに7月29日以来の勝利をプレゼントした。

「今夜の彼は、それだけの投球をしていた」テシェイラは言った。「彼は本当に良かった。今までの彼も、素晴らしいシーズンを送っているけど、彼らみたいな打撃の良いチームが何もできずに、彼がしたみたいに空振り三振を奪ったりとか、芯を外して内野フライを取れた時は、特別な物があったってことなんだ」

その特別な物が、7回までクロダを助けた。彼は16人の打者のうち15人をアウトに取り、それまでにボールが外野に飛んだのはわずかに1回だけだった。

ノーヒッターを記録できなかったとはいえ、シーズンオフにフリーエージェントとしてヤンキースに加わって以来でベストな投球を見せたクロダは、シーズン11勝目を挙げた。その右腕は与四球2、5奪三振で、アメリカンリーグの投手として初めての完封勝利を飾った。

6回に、まだヒットを与えていないことに気付いた観客の声援が聞こえ始めた、とクロダは言った。アンドロスにヒットを打たれてノーヒットが無くなった時、クロダは観客からスタンディングオベーションを受けた。彼はサードにアンドロスを立ち往生させ、その夜に出したもう一人のランナーをファーストから先に行かせないことで、それに応えた。

「ノーヒッターを期待していたファンをがっかりさせて、申し訳ない気持ちだった。だけど気を取り直して、最後まで投球に集中することができた」クロダは通訳のケンジ・ニムラを通して言った。「僕たちが勝つことができて、本当に嬉しい」

「今日の僕たちには、あまりすることはなかったね」スイッシャーは言った。「テシェイラと僕が流れを変えて、僕たちは得点することができたけど、ヒロのしごとは素晴らしかった。今夜は彼の夜だよ」

それは簡単に、テキサスの先発投手マット・ハリソンの夜になった可能性もあった。ニューヨークは序盤に、ツーアウトで得点圏にランナーを置くチャンスがあったが、2回あったチャンスのいずれでも得点することができなかった。ジェイソン・ニックスは2回、ランナー1,2塁で三振に倒れて、その回を終わらせた。そしてカーティス・グランダーソンは3回の満塁のチャンスで、センターフライに倒れた。

7回までの間で、ヤンキースがハリソンをやっつけるベストチャンスだっだのは、その2回だった。ハリソン自身は、素晴らしいパフォーマンスを見せていた。その左腕は、7回ワンアウトでデレク・ジーターに塁に出られるまで、5安打に抑えていた。レンジャースは、投手をアレクシー・オガンドに代えてその回を終わらせようとしたが、その右腕は、ホームランを打たれてしまった。交代したハリソンには、ジーターの自責点が付いた。

「(ハリソンは)テンポよく投げていた」スイッシャーは言った。「なんて言えば良いのか解らないけど、ここ数年の彼とは、全く違う投手になった。今夜の彼には、脱帽だ」

しかしクロダは、ハリソンよりも長持ちした。アンドロスにヒットを許した後も彼は冷静で、スライダーとスプリッターでゴロの山を築いたことで、ジラルディはその先発投手を9回まで投げさせようと決心した。クロダはヤンキースのキャチャー、ラッセル・マーチンが指示した効果的な配球を信頼していた。彼は2008年にクロダが1安打に抑えた試合でも、球を受けていた。後は簡単で、クロダは試合の間中、彼の思った通りに投げるだけだった。

「彼はストライクに見えるギリギリのところに、球を投げてきた」テキサスの強打者、ジョシュ・ハミルトンは言った。「僕たちはストライクゾーンを広げなくてはならなかった。それに彼が94-95マイルの球を投げるって知っていたから、それがさらにタフになった。彼はそれを混ぜることで、良い仕事をした」

模範となる二人の先発投手がマウンドに立ったが、そのうちの一人はアメリカンリーグで勝利数の先頭を走る二つのチームのうちの一つにあまり期待できなかった。しかし火曜日のヤンキースは、ここ7試合のうちでの6勝目を挙げて、テキサスに2ゲーム差を付けてアメリカンリーグでトップの勝利数となった。その大きな部分は、クロダの好投によるものだ。

「彼はたぶん、僕たちの中で一番安定している投手だ」マーティンは言った。「5日毎にマウンドに立って、そして試合に勝つチャンスを与えてくれる。彼に勝敗がつかなかったり、負けが付いた試合のほとんどでも、僕たちには試合に勝つチャンスがあったって思っている」

参考記事:Swisher makes Kuroda's two-hitter stand up By Ethan Asofsky / MLB.com | 8/15/2012 12:00 AM ET
http://mlb.mlb.com/mlb/gameday/index.jsp?gid=2012_08_14_texmlb_nyamlb_1&mode=recap_home&c_id=nyy&partnerId=rss_nyy