元日本代表監督で、現在は中国のクラブチームの監督を務めているトルシエ監督が、中国紙『新京報』の取材を受け、9月に発表されたインタビュー記事が海外で注目され、日本でも改めて報じられている。取材内容全体は、トルシエ監督による、中国の「中超」(サッカーのプロリーグ)の現状に対する見方を紹介するものとなっているが、一部では、記者による日本との比較についての質問に答えているものもある。

 「なぜ中国に中田英寿が育たないのか?」という記者の問いに対して、トルシエ監督は、「中国の選手は創造性がなく、想像力や創造力が欠如している。彼らには良いお手本がない。10分ごとに一度試合が止まる。審判がホイッスルを吹くからであり、ファウルが多すぎる。彼らの戦術はシンプルすぎる」と指摘。

 続いて、「日本は1992年、Jリーグが発足しているが、その時に世界レベルのコーチを招聘(しょうへい)し、良いお手本とした。お手本があれば、自分がどうすればよいのか分かる。中国にはそれがない」とした。

 「中国政府はサッカーに注目し始めた。当初の日本もこのような感じだったのか?」との問いに対して、トルシエ監督は、「青少年に対するサッカー教育は、政府による協力が必要だ。中国サッカー協会はこの点を考え、今後20年を見据えなければならない。日本は現在、サッカーの青少年に対する基礎教育という点で言えば、中国と比べ20―30年先を行っている」とした。(編集担当:鈴木義純)