7月4日から3日間、抗日歴史探訪で中国を訪れた韓国の国会議員29人が、9月に開催される定期国会で、中国の「東北工程」に本格的に対応したいとの考えを示した。中国の東北三省にある高句麗と渤海の遺跡を訪れた際、中国による歴史歪曲(わいきょく)の多さに驚愕(きょうがく)したという。

 東北工程とは、中国東北部(旧満州)の歴史研究を目的とする中国の国家プロジェクト。その中で高句麗と渤海王国を中国史の地方政権と扱ったことに韓国が猛反発、中韓両国の外交問題にまで発展した。最終的に民間レベルの学術討論で解決することで両国が合意に至ったが、韓国内では依然として「歴史歪曲」との認識が根強い。

 報道によると、議員たちは中国・黒龍江省の寧安県にある渤海遺跡を訪れた際、「渤海は中国の辺境地方だった」と書いてある説明板を発見したという。説明板からは大祚栄(テジョヨン)をはじめとする歴代の渤海王たちが中国式の服装を身にまとった絵も発見された。

 さらに、高句麗・渤海遺跡の博物館と記念館などの展示資料から、東海が日本海と表記された地図も発見。議員たちは「中国がここまで歴史を歪曲するとは思わなかった」とし、怒りをあらわにした。

 金議員は東北工程が終了した2007年から3年が経過したにもかかわらず、韓国の対応はまだ足踏み状態だと指摘、「東北工程に対して、政府は積極的な対策を用意すべき」との考えを示した。(編集担当:永井武)



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