インテルは22日、チャンピオンズリーグ(CL)決勝でバイエルン・ミュンヘンと対戦する。レアル・マドリーへの移籍が取りざたされるジョゼ・モウリーニョ監督だが、前日会見で同監督は自らの去就について、まだ決まっていないと述べるにとどまった。

「CLファイナルを戦うときに、ほかのことなど考えられない。だから、レアルに関して言われていることに影響されたりはしないよ。明日の試合が終われば、全員にとって新しい人生となる。バカンスに行くなりワールドカップ(W杯)を戦うなりし、新しいクラブに行ったり古いクラブに残ったりとね。たくさんの戦いを一緒にしてきた友人たちと別れるのは簡単ではないが、明日の試合が終わっても、まだ私は自分の将来がどうなるか分からないだろう。2004年にポルトで優勝したときは、すでにチェルシーへ行くことが分かっていた。だが、明日はそうではない」

「緊張感? それは明日になってから感じるよ。もう自分のことは分かっているんだ。明日、私は目が覚めてから、あと数時間だということに気がつくだろう。そして心臓がより早く脈打ち、体温が上がる。ただ、それからいつものようにミーティングがあり、ランチがあり、またミーティングがあるんだ。そして、スタジアムへ入ろうとバスを降りたとき、すべてが終わる。負けても世界が終わるわけじゃなし、勝ってもキャリアが終わるわけじゃないんだ。CLは夢であって、取りつかれてはいけないのさ。キャリアで最も重要な試合? それは常に“次の試合”なんだ。コッパ・イタリアでリヴォルノと対戦するときでもね」

CLを制覇すれば、欧州スーパーカップやクラブW杯を戦うことになるが、モウリーニョ監督にとっては重要なトロフィーではないようだ。

「私にとってクラブW杯はそれほど大きなものではない。例えば、(ズラタン・)イブラヒモビッチはクラブW杯に勝ったが、それで彼が世界王者になったのか? 欧州スーパーカップもただの1試合というだけだ。何かを獲得した結果というだけに過ぎない。CLこそが“黄金郷”なんだよ。とにかく、そういう話をする前に、インテルは明日の試合に勝たなければならない」

一方で、モウリーニョ監督はチームにあらためて賛辞を送るとともに、イタリアサッカー界との関係についても言及した。

「我々はチームとしてプレーしている。スターたちのいるチームだが、スターのように振る舞うことはなく、チームこそがスターになることを望んでいる。だから、誰がゴールを決めようが、誰が試合に出ようが、重要なことではないんだ」

「ユヴェントスやミランの普通のファンは、バイエルンの勝利を願うだろう。普通のことさ。ポルトガルでもイングランドでも、そしてイタリアでも私は学んだ。すべての経験が重要なんだ。同じ国でずっとキャリアを重ねなければいけないわけじゃないと確信している。違うことによって、成長することができるんだ。その意味では、イタリアのサッカーは私を良くしてくれたよ」

「コミュニケーションがとれる国で、プロジェクトのあるチームであれば、私はどこででも働ける。スペインで指揮を執りたいとこ、イングランドに戻りたいことは、すでに言ってきたけどね」