Kindleで「青空文庫」を読もう サポーターが自動変換サービスを公開
Photo by Kyosuke Takayama
米Amazonの電子書籍リーダー『Kindle(キンドル)』が日本からも買えるようになって、購入を検討しているガジェットフリークは多いだろう。だが、Kindleには、日本語表示に対応していないという大きな問題がある。でもご安心あれ。フリーの電子図書館『青空文庫』に収められている古今の名著をKindleで読めるよう変換するWebサービスが始まったのだ。もちろん無料だ。
青空文庫は、著作権の消滅した文学書などをデジタル化して公開しているインターネット電子図書館で、ボランティアによって運営されている。11月現在、500人以上の作家の8500以上の著作権の切れた作品を公開している。
Webサービスを開発したのは、青空文庫の熱心なサポーターで、iPhone用青空文庫リーダー『SkyBook』の開発者でもある高山恭介氏。最新のファームウェア2.3で、Kindleの日本語PDF表示機能が可能になったことを受け、「簡単にKindle用のPDFが生成されたら、すごく便利なんじゃないの?」(高山氏)と考えたという。
サービスは現在、『青空キンドル(仮)[Beta]』として公開中。青空文庫の電子書籍ファイル(zip)を読み込んで、日本語PDFに自動変換する。ルビや挿絵の埋め込みにも対応し、青空文庫の電子書籍をそのままKindle対応にできるという優れものだ。PDFファイル内に埋め込む日本語フォントは、情報処理推進機構(IPA)が配布する無償フォントセット『IPA明朝フォント』がベースで、Kindle向けにカスタマイズした。
開発は、電子組版システム『LaTeX』関連の開発などで知られる齋藤修三郎氏が作成した青空文庫/PDF変換スクリプト『青空文庫パッケージ』をベースに、Kindle向けにカスタマイズした。また、PDF変換に関する技術的な情報は、同様のPDF変換Webサービス『てふてふ君』を参考にしたという。
高山氏によると、現行の青空キンドルは文字サイズが固定になっているため、将来的には文字サイズを選べるようにしたいという。また、挿絵のサイズ調整なども進める予定としている。