各テレビ局の大幅な番組変更が話題となった今春の番組改編。「おもいッきりイイ!!テレビ」(日本テレビ系)や「あいのり」(フジテレビ系)など、長年続いた人気番組が姿を消した点が特徴的だ。景気低迷によりスポンサー収入が激減している各局は、続々と始まった新番組や大型特番の放送で視聴率を稼ぎたいところ。しかし、4月9日、TBSの全番組が1日を通じて視聴率10%を超えないという異常事態が発生した。

TBSは改編の目玉として、午前11時から4時間放送の「ひるおび!」と、午後5時50分〜午後7時50分放送の「総力報道!THE NEWS」をスタート。「ひるおび!」は、ホンジャマカの恵俊彰を司会に、日替わりで寺脇康文、高橋克典、石黒賢、高嶋政宏の俳優陣を出演させる情報バラエティ番組だ。また「総力報道!THE NEWS」は、同局からフリーとなった小林麻耶アナと、「NEWS23」に出演していた後藤謙次キャスターを起用。放送開始時間を他局のニュース番組より1時間遅らせ、高視聴率を狙った。

しかし、4月9日放送の「ひるおび!」の視聴率は午後の部で3.6%、「総力報道!THE NEWS」も5.5%と伸び悩む。午後7時55分からは2006年公開の映画「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」を放送したものの5.9%にとどまり、その他の番組も軒並み低迷した。同日のTBS全番組で最高視聴率と獲得したのは「みのもんたの朝ズバ!・2部」(午前7時〜)と再放送の「水戸黄門・最終回」(午後4時〜)だったが、それでもともに7.2%と、結局10%に届く番組は現れなかった。

一方、他局はこの日の夜、特番の放送が集中。その視聴率は、

・日本テレビ系「ぐるぐるナインティナインスペシャル ぐるナイは木曜にお引っ越し!!ゴチ10春超スペシャル」 18.8%
・フジテレビ系「志村けんのバカ殿様・桜も満開!笑いも満載70回スペシャル」 14.5%
・テレビ朝日系「いきなり!黄金伝説。高速道路の超人気ご当地グルメを食べつくす!西日本編」 13.4%
・テレビ東京系「名曲ベストヒット歌謡〜1970年代スペシャル 」 13.8%

いずれも10%を超えており、TBSが“一人負け”となった形だ。新番組の開始早々から低迷する視聴率を今後どのように上昇させるのか、早くもTBSの力が問われている。