24日の『ぴったんこカン・カンスペシャル』。安住紳一郎とゲストが、思い出の場所や味を巡る“ぶらり旅”が番組の柱になってきているこの番組。スペシャル版の大物ゲストには、小気味よいテンポとユニークなクイズで一世を風靡した『ぴったしカン・カン』のカン・カンチームリーダーだった萩本欽一がゲスト。そこで、欽ちゃんが、伝説のクイズ番組『ぴったし〜』とあまりに違う『ぴったんこ〜』についてチクリと言ってくれた。


下積み時代に通った味や、初恋の人、あこがれの天丼など“萩本欽一思い出の浅草界隈”を旅する欽ちゃんと安住アナ。いろいろ回って、すっかり旅が落ち着いてきた頃、欽ちゃんの“ナイフのような一言”が安住を襲った。

『ぴったんこカン・カン』はあんまりクイズやんないよね?

現在『ぴったんこカン・カン』は、スタジオのクイズがたった1問しか出題されない。それもロケに関する質問で、最後に正解を集計して勝者チームを決めるのだが、1問のクイズが当たればその人が勝者である。クイズ番組とは言えど、“申し訳程度のクイズ”がくっついているだけだ。まさにグルメ番組化した『ぴったしカン・カン』(現・『ぴったんこカン・カン』)に、欽ちゃんは少々嘆いているようだ。

昭和の伝説的クイズ番組、『ぴったしカン・カン』を覚えている人はどれくらいいるだろうか。当時今の安住アナと同じくTBSの花形アナウンサーであった久米宏の軽快な司会に、坂上二郎キャプテンの「ぴったし・チーム」と、萩本欽一がキャプテンの「カン・カンチーム」に分かれて、クイズに答える。今では「ありえないぐらい単純な」クイズ番組だ。前半2,3問の普通のクイズが終わると、本日のゲスト「幼少の頃の写真」が久米の横に現れる。それを誰かが当てるとゲストが登場し、それからはゲストについてのクイズが出題される。

久米宏の早口で小気味よい進行と、当時人気絶頂だった欽ちゃん、二郎さん、レギュラー回答者の藤村俊二(おひょいさん)のボケた回答(多分わざとかな?)が絶妙に絡み合ってとにかく面白かった。登場したゲストの幼少期から学生時代、芸能界に入ったいきさつから現在までのいろいろなエピソードをクイズで出題し、短時間で”人となり”を知る事ができた『ぴったしカン・カン』は、当時小学生だったアラフォーの記者には思い出深い番組である。

その『ぴったしカン・カン』を下敷きとした『ぴったんこカン・カン』は安住司会で2003年から放送されている。最初は30分で、久本雅美とゲストがチームに別れて『ぴったしカン・カン』スタイルでクイズをしていたが、安住の力量か、ウケずにニューリアルを繰り返し、2005年頃からはスタジオを飛び出した安住とゲストやホンジャマカの石塚英彦の“食べ歩きロケ”からクイズが出題されるようになり、グルメ番組としての要素が強くなった。泉ピン子の「ぴったんこさん」も飛び出し、それはそれで人気番組に成長した。

欽ちゃんの「あんまりクイズやんないよね?」は、ただクイズの事だけを言っている訳では無い。
今から30年前の『ぴったしカン・カン』が放送されていた時代は、グルメ番組は少なく、携帯電話も、TVゲームも普及していなかった。だけどハンバーグや鍋など家で食べる料理は美味しく、“家族で見た『ぴったしカン・カン』は最高に面白かった。
今、『ぴったんこカン・カン』を家族で見ている人はどれだけいるであろうか。
「クイズ番組」が「グルメ番組」になっていったのはまさに“時代の流れ”である。そして氾濫するグルメ番組に飽きた人はやがてテレビも見なくなる。

グルメ番組化するクイズ番組の衰退がテレビの“斜陽”を招く。
テレビの天才・萩本欽一は、それを危惧しているのだ。

(編集部:クリスタルたまき)
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