宮本一粋(撮影:野原誠治)
 2007年2月、名曲との呼び声も高いシングル「エーデルワイス」でデビューを果たし、7月にはSTUDIO 4℃の下に日本のアニメーションが誇る天才たちが集結した同名映画のエンディングテーマ「Genius Party」を手掛けた二千花。流麗なピアノの旋律に乗せて無垢な愛を歌ったサードシングル「あたらしい水」を携え、2008年6月に自らの名を冠したファーストアルバム「二千花」を発表した彼らが11月26日、美しくも儚い愛を叫ぶニューシングル「愛情」をリリースした。

第1回「ギリギリなのに人を愛せている、人間の強さ」(2008年11月26日)
第2回「自分と向き合って生きることによって、小さな平和が広がる」(2008年12月03日)

――今回は一粋さんお一人ということで、せっかくなので色々と過去にさかのぼってお話を伺いたいと思います。一粋さんは、小さい頃どんな女の子でしたか?

宮本一粋(以降、宮本):今は人と会ったり、話したりするのもすごく好きなんですけど、小学校2、3年ぐらいまでは本当に大人しくて。うちは3姉妹なんですけど、姉と妹は小さい頃からバレエを習ってたり、モデルをやってたり、結構ギラギラした感じの姉と妹で(笑)。それを陰で「すごいねー」っていう感じで見てるのが好きというか。ミュージカルとかも、自分が出たいとかじゃなくて、観るのが好きという感じで。「すごく大人しくて、どこにいるか分からないような子だった」ってお母さんが言っていて。私がすごくシャイだから、小学校3年生ぐらいの時に、心配した両親がカラオケ教室に連れて行ってくれて。歌と出会ってから明るくなった感じですね。

――運動とかスポーツは、やられていたんですか?

宮本:部活とかも全然やっていなくて、もう速攻で家に帰るような(笑)。本当に人前でしゃべったりするだけで震えちゃう感じなんですよ、本当に! 歌と出会って、小学校、中学校と明るくなったんですけど、やっぱりまだ社交的ではなくて、一人でいる方が好きで。3姉妹で他の2人は同じ部屋なんですけど、私だけ一人の部屋に隔離されていて(笑)。窓の無い部屋で、本当に真っ暗! 朝から晩までずっと一人で音楽を聴いて、歌ったりしていましたね。

――音楽以外に、好きなことはありましたか?

宮本:絵を描くのがすごく好きで、元々絵を描いていて、それに言葉を一言メッセージみたいな感じで載せたり、それをプレゼントするのが好きだったんですよ。スポーツだったり、何かを集めたりというのは無くて。あ、でもダンスはやっていたかな。

――ダンスは、いつぐらいからやっていたんですか?

宮本:小学校の6年生から中学校の3年生ぐらいまで、ヒップホップダンスとジャズダンスを。そこで15センチぐらい身長が本当に伸びたんですよ、本当に! 中学校の入学式の時は前から数えた方が早かったのに、卒業になるともう後ろから数えた方が、みたいな感じで。

――自分の人格が形成されたのは、いくつぐらいからだと思いますか?

宮本:そうやって、表向きは人と会って楽しかったり思えるようになったんですけど。小学校から日記を書いていて、それを読み返していると、まず文字も変わっていないし、言葉の感じも全然変わっていなくて、同じような内容のことを書いていたり(笑)。そういう所は本当に、小学校のちょっと大人しい頃から基本的に何も変わっていないけど、そういう自分とどう対応していくか、みたいな(笑)。やっぱり大人になるにつれて工夫したり、作戦みたいな対策ができてきて。

――自分自身との付き合い方が上手くなったけど、根本は変わっていない。

宮本:そうですね。夏に地元の福岡に帰った時、小学校5、6年生の同窓会があったんですよ。ほぼ全員が集まっていて、先生が来て「なんとかで賞」みたいな賞をもらったりして。「私は何かな?」と思ったら、「一番何も変わっていないで賞」という賞をもらって、すっごく微妙な(笑)。みんなから「いいじゃん!」とか「老けてないってことだよ!」とか言われたり。誰かが卒業アルバムを持って来ていて、本当に顔が今と変わらない感じで写っているんですよ。だから、「あ、なるほどな」と思って、そういう所も変わっていないし。