<ミドル級/5分3R>
ダン・ヘンダーソン
Def.3R終了/判定
ホウジマール・トキーニョ

10歳違いの二人による、注目のミドル級戦。しかし、28歳のトキーニョは、減量に苦しみスタミナではヘンダーソンに分があると見られている。ジリジリと距離を詰めていくヘンダーソン、ケージに追い込まれたトキーニョはテイクダウンを狙うが、ここでヘンダーソンのアッパーが両ヒザをついた状態のトキーニョの顔面を捉える。

強烈なパウンドを落とし、トキーニョの足関節狙いを防ぎスタンドに戻ったヘンダーソン。トキーニョの遠い距離からのタックルを完全に見切っている。タックルを切ったところで、アッパーを叩き込むヘンダーソンに対し、トキーニョは攻め手が見つからない。ガムシャラに飛び込み、バランスを崩したトキーニョの顔面にフックを見舞うと、新柔術マジシャンは再びグラウンドへ。

ようやくトップを奪うことに成功したトキーニョだったが、残り時間30秒では決定的なシーンを迎えることもできず、ヒザ十字を仕掛けたところで1Rタイムアップとなった。

2R、トキーニョの右ハイを掴んで倒したヘンダーソン。寝技にいくことなくスタンドをキープするが、直後にトキーニョが両足タックルでテイクダウンを奪うことに成功。クローズドガードを取ったヘンダーソンに、トキーニョがヒールフックを仕掛ける。体をひねりながらエスケープに成功したヘンダーソンは、再びスタンドへと戻る。

ヘンダーソンはタックルを切り、がぶってアッパーを狙うが、これは空振り。試合を優勢に進めるヘンダーソンも疲れが見え始める。それでもトップを奪ったヘンダーソンは、クローズドガードを取る番となったトキーニョにエルボーを落としていく。

関節技の仕掛けを嫌がり、がっちりと抑え込むヘンダーソン。レフェリーがブレイクを命じ、試合がスタンドに戻っても、目立った攻防がないまま試合は最終ラウンドへ。

タックルを切られ、後ろ回し蹴りを繰り出したトキーニョ。カポエリスタを思わせる蹴り技を見せるが、クリーンヒットはない。反対に左ジャブを受けると、テイクダウン狙いから引き込むも、ヘンダーソンが寝技につきあうことはない。

残り時間3分、疲れからか前に出られないヘンダーソン。そのヘンダーソンのパンチを受け、テイクダウンに結びつけることができないトキーニョ。動きのないまま1分が経過し、館内にブーイングが響き渡る。

テイクダウン狙いから、足関節に結び付けようとするトキーニョだが、この動きは完全に読まれており、功を奏すことはない。それでも右ストレートを受けながら、ヘンダーソンの右足をキャッチするが、凌がれると万事休す。残り20秒でトキーニョはテイクダウンを仕掛けたが、これを凌がれ引き込んだところにパウンドを落とされ、腕関節狙いが不発に終わると、試合が終了。

スタミナ面で衰えを見せたヘンダーソン、打撃の防御とテイクダウンを防がれた場合――、二つの不安要素をそのまま試合で露呈したトキーニョ。期待が高かった一戦は、やや期待外れに終わったが、結果ヘンダーソンがPRIDEから復帰後初、そして、10年3カ月ぶりのUFC勝ち名乗りを受けた。

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