読売記事で「会社員」ブログ炎上 「炎上して当然」発言が引き金
読売新聞の連載「ネット社会 深まる闇」をきっかけに、記事に書かれた「東海地方に住む男性会社員(29)」のブログが炎上する騒ぎになっている。この「会社員」は記事の中で、ネットでの不用意発言は「炎上して当然」と言っていたが、取材での不用意発言がブログを炎上させる皮肉な結果になったようだ。
「会社員」は読売の記事の狙いに疑問を持つ
読売の記事は、2008年3月1日付朝刊1面の「ゲーム感覚 悪意の増殖」。ネット上の炎上や祭りについてリポートし、他人を叩くことを楽しむように見える一人として、東海地方の男性会社員を紹介した。この会社員は、ブログで騒ぎをあおり、不用意発言は「炎上して当然」と言った、と記事で紹介していた。
ところが、ネット上のネタやニュースを紹介しているブログ「秒刊SUNDAY」の管理人が、ブログの3月1日付記事で自らがその会社員だと明かしたことで騒ぎが始まった。この「会社員」は、その後、2ちゃんねるのスレッドをアフィリエイト広告付きのまま自らのブログに転載。これに怒ったねらーがコメント欄を荒らして、ブログが炎上する騒ぎになった。
ねらーは、この「会社員」がブログを他のサイトに飛ぶよう偽装したりしたなどと非難。これに対し、「会社員」は、3月2日のブログ記事で、ブログへの転載を正当化し、2ちゃんのスレは捏造だと反論した。一方で、読売に対しても噛み付いた。
「なんかおかしいと思っていたが、読売の記者ってねラーだったんだろ? 秒刊潰す為に、記事書いて、んで都合よく炎上させて騒ぐ」
として、記事訂正を申し込むことを明らかにしたのだ。
「会社員」は、J-CASTニュースの取材に対し、記事が間違っているというのではなく、記事の狙いに疑問を持っていると回答した。
「担当者にこんなスレッドがたってますよ的なメールをだしました。しかし返事がなかったので、『おや?』と思っているわけです」
そこで、J-CASTニュースでは、読売側に事実関係を聞こうとしたが、広報部では「取材源に関する質問には、一切お答えできません」とコメントした。
個人情報をさらされる
ただ、読売の記事では、「会社員」が特定されるような表現は見られない。むしろ、「会社員」がブログで記事に触れたことが騒ぎを生んだ。「会社員」も、J-CASTニュースに「自分で読売に記事書きましたというのをブログに書いたのも非がある」と認めている。
この騒ぎで、「会社員」がブログに書いた過去の記事が次々に非難の対象になった。07年7月26日のブログ記事で、マクドナルドでドライブスルーの車が邪魔になって駐車場に入れないと店のスタッフを恫喝し、看板を何度も蹴り上げていたことが分かった。また、08年2月17日の記事では、自転車同士がぶつかりそうになり、高齢者男性が転んだにもかかわらず、そのまま逃げたことを告白していた。また、「会社員」のミクシィにも飛び火し、07年2月13日の日記で、アフィリエイトの確定申告のことは知らなかったし、今後も申告する予定はないと告白していたことが暴露された。
これに対し、「会社員」は、看板は壊していない、脱税もしていない、などとブログで主張している。
「会社員」は、読売の記事で、「(自らのブログで)相手の名前や住所をさらしたこともある」とされていた。ところが、2ちゃんやまとめサイトに自分の個人情報がさらされた。すると、3月1日のブログ記事で、「私の発言がハンドというペナルティだとしても、個人情報をネット上にばら撒くのはルール違反です。レッドカードです」と訴えた。
また、記者への不用意な発言で、自らのブログが炎上する皮肉な結果になった。
こうしたことについて聞くと、「会社員」は、「読売のインタビューではハイハイ答えてただけなのでよくわかりません」とだけ答えた。なお、「会社員」は、読売の記事については、
「ご承知のとおり不快な文章を読売新聞社に提供してしまったことを深くお詫び申し上げます ただ、媒体の性質上、やむをえない部分もあったことはご理解ください」
という謝罪文をブログに掲載している。
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