現在、世界市場経済において無視できないチャイナ・パワーだが、セリエAにもその影響力が及びはじめた。彼の地でのプレミア・リーグ熱は知られているところだが、昨年のドイツW杯でのイタリア優勝やCLでのミラン戴冠などでイタリアン・カルチョへの熱も急上昇中なのだという。

 伊サッカー協会と中国のTV局「CCTV5」が現在来季からの放映権交渉中にある。同局がカバーする視聴可能エリア人口は4億6300万人に及び、実視聴者数の8000万人という数字は、実にイタリアとスペインを合わせた総人口に匹敵する。

 さらに中国政府の肝いりで、来季開幕前にリーグ戦王者とカップ戦王者で争われる公式タイトル「イタリア・スーパー杯」の中国開催招致も進んでいる。伊スーパー杯は過去に3回国外開催され(米国2回、リビア1回)、前例はある。伊協会側はギャラ次第で同国開催にゴーサインを出すと見られている。

 中国サッカー協会がバックアップする複数の中国人選手が、伊リーグでプレーするべく交渉も進んでいるとされ、中国パワーはイタリアでかつてない盛り上がりを見せそうだ。

弓削高志