5日、都内で行われた二輪車メーカー4社による合同記者会見(撮影:吉川忠行)

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高速道路の通行料金を自動的に精算するETCシステムが今秋にも二輪車に導入される予定だが、二輪車用車載器の製造・販売に参入するメーカーが現時点で日本無線<6751>1社のみにとどまっていることが5日、わかった。同日、東京都港区の自動車工業会(自工会)で行った記者会見で、二輪車メーカー4社でつくる特別委員会が明らかにした。

 国土交通省などは二輪車ETCの導入に向けて、全国5000台を対象に試行運用をしており、車載器は日本無線が供給している。二輪車特別委の次広章・副委員長(スズキ<7269>国内営業部門部長)は「防水性、耐震性などの問題点が技術的にクリアーになっていない」と指摘し、車載器メーカーに対し、自工会から特に働きかけは行わないとの考えを述べた。

 二輪車メーカー4社が一堂に会した同会見では、オートマチック(AT)限定免許が導入された05年の普通二輪車免許交付件数が前年比で8%増加した実績や、高速道路での二人乗り解禁でバイク用品の販売増に結びついたことなどを強調。高速道路の二輪車料金の引き下げや駐輪場の拡大などを、政府や道路事業者に継続的に要望を行う方針を示した。

 また、噴火による被害を受けた三宅島の復興策として、東京都の石原慎太郎知事が島内の公道を使ったオートバイレースの開催に意欲を見せていることについて、二輪車特別委の長谷川至委員長(ヤマハ発動機<7272>会長)は「アクセスや環境面で直感的には難しいと思うが、盛り上がりが出来れば結構」と述べた。メーカー各社からは「復興は大賛成だが、手段としてレースが適切かどうかは何とも言えない」(原田実・ホンダ<7267>専務)、「2、3メートルの道路では、安全面から問題」(天江文昭・川崎重工業<7012>執行役員)、「地元ボランティアの教育が必要で、短期間で作りあげるのは難しい」(次広氏)との意見があった。【了】

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