中国で韓国人の日本軍慰安婦を写した写真。右端がパク・ヨンシムさん(ソウル市・ソウル大研究チーム提供)=(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】韓国ソウル市とソウル大・鄭鎮星(チョン・ジンソン)名誉教授(社会学)の研究チームは18日、ソウル都市建築センターで25日から開催される展示会「記録の記憶 日本軍『慰安婦』の物語、聞き足りなかった言葉」で韓国人慰安婦の写真3枚と各種資料を公開すると明らかにした。

 この展示会は日本による植民地支配下の1919年に起きた独立運動「三・一運動」から100年になることを記念して行われる。

 今回公開されるのは、慰安婦被害者の故パク・ヨンシムさんが米中連合軍の捕虜として捕えられ、臨月の体で中国の収容所にいた際の姿が収められた写真1点と、ビルマ(現ミャンマー)で複数の朝鮮半島出身の慰安婦が集まっている様子を写した写真2点だ。パクさんは、その後収容所で死産したと証言している。

 これらの写真は太平洋戦争中に米軍が製作した写真アルバムの一部で、実物が韓国内で公開されるのは今回が初めて。これまでは米国立公文書記録管理局が所蔵する写真をスキャンしたイメージのみが公開されていた。

 ビルマで撮影された慰安婦の写真は1944年8月14日に、パクさんの写真は同年9月3日に撮影された。米国は44〜45年にアルバムを製作したと推定される。

 ソウル市とソウル大の研究チームは、3年間にわたり進めてきた旧日本軍慰安婦の記録物管理事業により写真の実物を探し出した。写真は散逸していたが、昨年9月に個人の所蔵者を通じて入手した。

 ソウル市によると、写真は縦21センチ、横29センチで保存状態は良好だという。

 展示会では慰安婦の写真3点のほか、日本人と朝鮮半島出身者の帰還を報じた米紙ニューヨーク・タイムズの紙面(46年3月2日付)、捕虜となった朝鮮半島出身女性の名簿が掲載されている昆明報告書、日本海軍の艦隊基地があった西太平洋・チューク諸島からの帰還者名簿の複製本、沖縄で慰安婦として働かされたことを初めて証言したペ・ボンギさんの写真などが公開される。

 また、ソウル大研究チームが中国と沖縄の慰安婦被害地域を調査した際の映像も上映される。

 展示期間中は毎週末に講演が開かれ、3月2日には在日朝鮮人のルポライター、金栄(キム・ヨン)氏が講演するほか、3日には朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長と鄭鎮星教授が対談を行う。

 展示会は3月20日まで行われる。開館時間は毎日午前10時〜午後6時、入場無料。