新R25ではもはやレギュラーになっている堀江さんが、8月に『健康の結論』という書籍を上梓しました。

過去にも『むだ死にしない技術』『ピロリ菌やばい』など予防医療関連の書籍を出しているんですが、正直、堀江さんが健康を意識しているイメージがまったく湧かないんですよね…。インスタに肉ばっかりアップしてるし。

@takapon_jpさんのInstagramの投稿

ということで、今回はそんな堀江さんに「本当に健康を意識しているのか?」という疑問をぶつけつつ、最後はその独特の(?)死生観についても話を聞いてきました!

〈聞き手=渡辺将基(新R25編集長)/文=福田啄也(新R25編集部)〉

なぜ長生きしたいのに、好き勝手食べてるの?



堀江さん:
また取材?

渡辺:
いやいや、そう言わずに。

今回は、堀江さんがなぜ健康を意識してるのかを聞きたいと思ってまして。

堀江さん:
誰だって思ってるでしょ? 健康で長生きしたいって。

渡辺:
そうですけど、堀江さんは普段好きなもの食べて、お酒もたくさん飲んでるじゃないですか。

堀江さん:
健康っていうと「野菜をたくさん食べましょう」「お酒を控えましょう」みたいな啓蒙ばっかりだけど、そんなのに気を遣ってもしょうがないんだよ。

うまいもん食ってりゃいいの


さっそくチーズを食べだす堀江さん

渡辺:
どういう理屈なんですか。

堀江さん:
健康を意識するなら、食生活だけじゃなくてストレスも大事なんだよ。

健康寿命って、「肉体」「精神」「社会」の3つの要素で決まるわけ。知ってる?

渡辺:
「肉体」と「精神」はなんとなくわかりますが、「社会」ってなんですか?

堀江さん:
社会とのつながりだよ。

地位が高い人って、地位が低い人より平均寿命が7年も長い
っていう研究データが出てるんだけど、それってなんでだと思う?


どんどん消費されていくコーラとチーズ

渡辺:
まぁ…裕福な生活をしてるからじゃないですか?

堀江さん:
違う。適度なストレスがあると、人は長生きするんだって。過度なストレスはダメだけど、適度なストレスはプラスに働くのよ。

ちなみに、地位が高い人って定年退職したら何をしてると思う


恒例の質問攻め

渡辺:
企業の顧問をやったり、投資家になったりとか…?

堀江さん:
そんな人は一部でしょ。町内会長自治会長とかになるんだよ。あるいはマンションの管理組合の代表とか。

そういうことをやってると、退職したあともちょっとめんどくさい人とやり取りしなきゃいけないから、適度にストレスがたまって長生きするの

逆に、もともと地位が低い人はそういうことをあまりやらないから、社会とのつながりがなくなって早死にする。

渡辺:
へぇ〜、おもしろい。全然知らなかったです。

堀江さん:
これまでの予防医学は「肉体」の研究ばっかしてて、こういう部分に全然着目してこなかったんだよ。

たとえば心臓病の危険因子のなかで、「肉体」が占めるのは40%くらいなんだよね。その(肉体の)危険因子のなかで、食生活が占めるのはさらに一部。

だからオレは赤肉を山ほど食うし、好きなだけ酒を飲むわけ。

渡辺:
なるほど…


ただ、「健康食品とかサプリとか毎日飲んでるヤツらはバカ」は言いすぎだと思いました

不慮の事故に遭ったらどうするんですか?


渡辺はこの日、堀江さんプロデュースの「WAGYUMAFIA」オリジナルTシャツを着用して取材(迎合するも効果なし)

渡辺:
でも、いくら堀江さんが予防医療を研究して長生きしようとしても、“不慮の事故”に遭ったりしたら元も子もないですよね。

堀江さん:
うん。だからオレ、事故に遭わないように気を遣ってるもん。

タクシー乗ったときとか、必ず後部座席に乗ってシートベルト締めるし

渡辺:
ホントですか?

堀江さん:
マジマジ。

だって今タクシードライバーってどんどん高齢化してて、ブレーキとアクセルを踏み間違えるとか、いきなり脳溢血(のういっけつ)になるとかありえるじゃん。めちゃくちゃ危ないよ。

あとは、ホームから転落するのが怖いから電車にも乗らない

渡辺:
幼稚園児ばりのリスク管理。

堀江さん:
電車は人も多いし、通り魔に遭うかもしれないじゃん

だから、とにかく死にやすいシチュエーションを避けるようにしてる。


「怪しいヤツがいそうなところは危ないし怖いじゃんか」

渡辺:
じゃあ海外とかも行かないんですか?

堀江さん:
いや、日本人は海外怖いって言うけど、よっぽど日本の方が怖いよ。

渡辺:
日本だと堀江さん有名人だしよく炎上してるから、それがリスク因子かもしれませんね。

堀江さん:
確率論でいえば、オレは日本より海外の方が安全だと思うね。

渡辺:
こんなこと言ってるのに、「堀江さんが海外で刺された」みたいなニュースが出たらちょっと面白い(笑)。

堀江さん:
面白くねえよ


さすがに今の発言は渡辺が悪いと思います

「未来のことを考えても意味がない」と主張するのはなぜ?

渡辺:
そもそもの話に戻りますが、堀江さんが長生きしたい理由をもう少し深掘りたいです。

僕は「自分の人生にまだ満足していないから」死にたくないんですが…

堀江さん:
そういうことじゃない。人生が楽しいから、それが終わるのが嫌なの



渡辺:
なるほど…うらやましいです。でも、「死ぬまでにやってみたいこと」とかないんですか?

堀江さん:
ない。そんなこと考えても意味ないでしょ。

やりたいことがあったら、今すぐやればいいじゃん

渡辺:
でも、ロケット事業とかはいつかやってみたいという思いがあったから始めたんじゃないですか?

堀江さん:
いや、ロケットもライブドア時代からやってたから

渡辺:
え、そうなんですか。失礼しました…

堀江さん:
とにかく、やりたいことがあるなら、今すぐ自分ができる最大限のことをやるべきでしょ。「いつかやりたい」なんて考えててもしょうがない

渡辺:
堀江さんって、そういう風に「未来」を考えるのがめちゃくちゃ嫌いですよね。

夢を持つって素敵なことだと思うんですが、なぜ否定するんですか?

堀江さん:
未来を想像すると、人間って絶対リスクのことを考えるじゃん。リスクや失敗が脳裏をよぎって、そればっかりで頭の中が埋め尽くされちゃうんだよ。

人間って、成功した記憶よりも失敗した記憶の方が頭に残りやすいでしょ。だから、未来のことを考えると「きっとうまくいかない」ってネガティブになるわけ。

それって意味ないよね。



渡辺:
でも、ライブドアの社長をやってたころは業績予想とか事業構想とかを公表しなきゃいけなかったと思うんですけど。

そういうときはどうしてたんですか?

堀江さん:
そんなもんわかんないんだから、出せないでしょ

だから東証(東京証券取引所)ともずっと対立してた。

渡辺:
そうだったんですか。

堀江さん:
あんまり先のことはわからないです。業績予想なんて出せません」って言ってた。3年くらい出さなかったかな。

渡辺:
(当時の担当者の方に同情しかない)

堀江さん:
でもあまりにしつこかったから、最後は「1年後のことなんかわかんないんですけど、テキトーでいいっすか!?」ってブチギレて提出したんだよ。

そしたら粉飾だって言われてさぁ…(笑)


ここ、笑っていいか迷いました

堀江さんの死生観が知りたい。もし今、余命宣告されたらどうします?

渡辺:
先のことを考えないという堀江さんですが、死生観というか、「最後はこう死にたい」みたいなものもないんですか?

堀江さん:
ない。だって死ぬつもりないもん



渡辺:
はい?

堀江さん:
本気だよオレは死なないの

渡辺:
…ちょっと質問を変えますけど、じゃあもし今、余命宣告されたらどうしますか?

堀江さん:
余命宣告なんてされない

渡辺:
いや、されますって絶対。

堀江さん:
“されたら”とか、そんなことを考えない。

渡辺:
いや、もしもの話ですよ。“もしも”されたら。

堀江さん:
だから、“されたら”を考えないって!!!


小学生レベルの押し問答になってきました

渡辺:
じゃあ、この瞬間にはじめて考えましょうよ! なんで頑なに考えないんですか?

堀江さん:
意味ないもん。考えても意味がないことは考えない。

それを考えることで、オレが得することなんて何ひとつないじゃん

渡辺:
たしかに…実際に余命宣告されるまでは考えないと。

堀江さん:
だからぁ、余命宣告されることがありえないんだって!!!

もういいでしょ。はい、今日はこれでおしまい!



いつも通りの展開になった今回の取材でしたが、「未来のことを考えずに、今すぐやる」という姿勢こそ、堀江さんの多動力、そして前に進むパワーの源なのだと実感しました。

ちなみに、今回の執筆は初めて私、福田が担当。インタビューの様子を後ろで見学しているだけでビビってしまいましたが、これまで何度も堀江さんと対峙している渡辺によると、「今日は機嫌よかったね」とのこと。いつもどんな雰囲気でインタビューしてるんでしょうか…?

新R25編集部は堀江さんの長生きを応援し、これからも“適度なストレス”を与えつづけたいと思います。

〈取材・編集=渡辺将基(mw19830720)/文=福田啄也(@fkd1111)/撮影=長谷英史〉