事故で助手席の妊婦死亡もお腹の子は…(画像は『Metro 2018年7月28日付「Baby survives being ripped from womb when truck flipped over killing mother」(Picture: Arteris)』のスクリーンショット)

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このほどブラジルで、臨月の妊婦が激しい事故に巻き込まれる悲劇が起こった。その衝撃で妊婦のお腹が裂かれ、胎児が飛び出し路上に投げ出されたが、無傷のまま一命を取り留めたという。『Metro』などが伝えている。

ブラジル南西部のサンパウロとクリチバの間にあるカジャティの高速道路で、木の厚板を荷台に積んでいたトラックがコントロールを失い横転した。その衝撃で助手席に座っていた妊娠39週の女性が車外へと投げ出され、木板の下敷きになってしまった。

地元メディア『A Tribuna』によると、衝撃により女性の腹部が裂け胎児が飛び出たという。事故を知り駆けつけた救急隊らは、負傷したトラック運転手のジョナサン・フェレーラに次いで、木材の下敷きになり死亡している女性を目撃、さらに数メートル離れた芝生の上で泣き声をあげている女児を発見した。

女児のへその緒は切断されており、奇跡的にも無傷だったようだ。救急車でパリケラ・アク区の病院の新生児集中治療室へと搬送された女児は、現在も同病院で治療中とのことだ。怪我をしたジョナサンは病院に搬送されたが同日に退院し、過失致死罪で逮捕されている。だが警察には「女性のことは知らない。車に乗せただけだ」と供述しているという。

警察やソーシャルサービスが死亡した女性の身元確認に努めたが、それを証明するようなものを発見できなかったことから、女性の親族などがいないか情報提供を呼びかけている。不慮の事故で母親を亡くしたことは悲劇に他ならないが、このような状況で健康に生まれた女児はまさに奇跡といえよう。病院のスタッフらは、この女児を“神に守られた子供”という意味を持つ「ジョバンナ」と名付けた。

病院スタッフによると、出生時に2,948グラムだったジョバンナちゃんはとても穏やかであまり泣くこともなく、スタッフが相手をすると笑顔を見せているという。今後、女性は身元がわからなければ身元不明者として埋葬され、女児は孤児院に引き取られて養子に出される手続きを取ることになると警察は話している。

画像は『Metro 2018年7月28日付「Baby survives being ripped from womb when truck flipped over killing mother」(Picture: Arteris)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)