<時を超えて届いたアンネの皮肉の効いたジョークはお見事。アンネ自身が突っ込むほど>

『アンネの日記』と聞けば、第二次世界大戦下のナチスによるユダヤ人迫害から逃れた一家を少女目線で捉えた、戦争の痛ましさを伝える手記というイメージを持つ人は多いだろう。

しかし、現代のテクノロジーによってそのイメージは大きく変わるかもしれない。5月15日、『アンネの日記』のなかで長年解読できていなかった2ページ分の内容が明かされた。秘密のページは、1942年の9月28日、当時13歳だったアンネが書いた。

家族とともにオランダ・アムステルダムの隠れ家で生活するようになって3カ月も経たない頃だろう。米タブロイド紙「ニューヨーク・ポスト」など複数メディアが伝えるところによると、秘密のページは様々な内容を書いては線を引き、書いては線を引き、が繰り返され文字が滲んでいたうえ、茶色の紙で覆われ、現代まで守られていた。

(明かされた「秘密」のページ)


アンネが一時期身を隠していた、アムステルダムにある「アンネ・フランクの家」とホイヘンス研究所、オランダ戦争資料研究所の3つの機関は共同で、秘密のページの解析に取り組み、画像解析ソフトの技術を駆使して読み明かした。

現代と変わらないガールズトーキング

オランダ戦争資料研究所のディレクターであるフランク・バン・ブリーは「新たに発見されたページを読めば、みんなが笑顔になるだろう」「いわゆる下ネタは、成長期の子どもにとって定番のネタだ。才能豊かなアンネも、例外ではなかったということだ」と語っている。

そう、アンネは、性と売春に対する考えと「ダーティジョーク」を書き連ねていたのだ。

セックスについて綴った部分で、アンネはこう残した。「女性は14歳で初潮を迎える。つまりそれは、男性と関係を持ってもおかしくないほど成熟しているっていうことだけど、もちろん結婚前にそんなことをする人はいないわ」

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部