引退した元横綱・日馬富士(画像は伊勢ヶ浜部屋の公式サイトから)

写真拡大

元横綱・日馬富士の暴行事件をめぐり、東京相撲記者クラブ会友の杉山邦博氏がテレビで見解を述べたところ、「そういう問題じゃないでしょう」とスタジオで激論となった。

現場にいたのはモンゴル人力士が多かった。杉山氏は2017年12月21日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で、「農耕民族の日本人と、狩猟民族で遊牧の民のモンゴルの人たちとでは根っこのところが違う」と発言した。

「根っこのところはモンゴルの血が流れている」

日本相撲協会の危機管理委員会は19日に被害者の平幕・貴ノ岩を入院先の病院で聴取し、20日の報告で暴行時の詳しいやり取りを公表した。10月25日の酒席で横綱・白鵬が貴ノ岩を説教していたところで日馬富士が仲裁。すると白鵬と日馬富士が険悪な雰囲気になり、モンゴル語で言い合いになる場面があったという。

杉山氏は「酒の席でのことですから、私はあまり踏み込んだことは言えませんね」としつつ、

「農耕民族の日本人と、狩猟民族で遊牧の民のモンゴルの人たちとでは根っこのところが違いますから。表向きは学習して日本人になりきろうとしてやってくださっているけど、根っこのところはモンゴルの血が流れているわけですから。いざとなったらモンゴル語でやり合ったわけでしょう」

と発言。「ですから私にはちょっと分からないですね」とした。

これにテレビ朝日のコメンテーター・玉川徹氏が「モンゴルは狩猟民族じゃないですよ。だって遊牧やっているんですから」と噛みついた。杉山氏は「だから『遊牧』という言葉も僕は使いましたけど」と応じたが、なおも玉川氏は「そういう(民族的な)問題じゃないですよね。モンゴルだって暴力振るっていいわけなんて全然ないです」と引かなかった。杉山氏も「そういう意味で言っているのではなくて、根っこというものがある」と返したが、玉川氏は「どんな根っこですか」と納得がいかない様子だった。

「民族」という点は以前、池坊保子・評議員会議長も引き合いに出していた。11月23日放送の「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系)出演時、九州場所11日目に白鵬が黒星に対して土俵上で「物言い」をしたことに対して、「農耕民族はみんな仲良く。狩猟民族だから白鵬さんは時々そういうところが出る」などと述べている。

貴乃花に苦言「『閉じ込めている』と言われかねない状況」

21日の「モーニングショー」で杉山氏と玉川氏が火花を散らせた場面は他にもあった。

20日の臨時理事会では暴行事件の関係者への処分が決まったが、未聴取の貴乃花親方の処分は先送りされたため、番組では親方の責任をめぐって議論に。貴ノ岩は九州場所後の冬巡業を全休したが、師匠の貴乃花親方は休場にあたって診断書を提出しなかった。この点、杉山氏は「入院しているなら診断書が出せるはずなんですよ。その貴乃花の責任はどうなの?」とした上で

「保護しているならわかるけど、『閉じ込めている』と言われかねない状況だと思うんですよ。とすると貴ノ岩の人権はどうなるんですか」

と親方を責めた。

すると玉川氏は「それはちょっと言い過ぎなんじゃないですか。『かねない』と言っても」と割って入り、

「入院している本人がいて、医者がいて、親方が『閉じ込めている』なんて、今時そんなことがあり得るなんて考えないほうがいいんじゃないですか」

と反論した。

「保護という言葉を使ったでしょう」と言う杉山氏に、玉川氏は「ちょっと言い過ぎだと僕は思いますけど」と繰り返した。杉山氏は「そう言われかねないということです。彼が表に出て来ないのは一体どうしているんだろうと、とにかく貴ノ岩をみんな心配しているわけですよ」と説明していた。