苦境のヘルタ原口、紆余曲折の日々を独メディア特集 「ハラグチ、悪い時へ逆戻り」

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ターニングポイントは夏の契約延長問題、10月1日のバイエルン戦で光明も…

 日本代表FW原口元気ヘルタ・ベルリンで紆余曲折の日々を過ごしている。

 ブンデスリーガ第7節でバイエルン・ミュンヘン守備陣を切り裂いたドリブルは現地でも絶賛された一方で、8節のシャルケ戦(0-2)では危険なタックルで一発退場するなど戦犯の一人となった。ドイツメディアはそんな原口の浮き沈みの激しさを特集している。

「ハラグチ、悪い時へ逆戻り」と特集しているのは ドイツメディア「Lattenkreuz」。記事では「2017年のフットボールはハラグチにとって良くない思い出として記憶に残るだろう」とされている。

 大きなターニングポイントの一つは夏の移籍市場での契約延長問題だ。イングランド・プレミアリーグに昇格したブライトン移籍の噂が浮上していた原口は2018年で満了となる契約更新を行わなかった。

 結局、交渉はまとまることなく原口はチームに残留したが、パル・ダルダイ監督率いるヘルタでは新加入のオーストラリア代表MFマシュー・レッキーがレギュラーに定着。原口は開幕からベンチが定位置となっていた。

 苦しいスタートのなかで光明となったのは10月1日のバイエルン戦(2-2)。第7節にしてリーグ初先発を飾ったドリブラーは0-2で迎えた後半6分、ジェローム・ボアテング、ジュシュア・キミッヒ、マッツ・フンメルスという三人のドイツ代表DFを次々と抜き去ってペナルティーエリアを侵略。クロスでFWオンドレイ・ドゥダのゴールをアシストした。

監督絶賛から一転、評価は再び波打つ状況に

 ダルダイ監督も「彼の働きはワールドクラスだった」と称えるパフォーマンスで、今回の記事でも「美しいアシスト」と絶賛されている。これで上昇気流に乗ったかに思われたが、その矢先に起きたのが冒頭で触れたシャルケ戦での退場劇だった。

 試合の前半44分という早い時間に原口はオーストリア代表FWギド・ブルクシュタラーにスパイクの裏を見せる危険なタックルを見舞い、一発退場処分。これには原口を絶賛していたダルダイ監督も「不要だった」と苦言を呈さざるを得なかった。

 これにより原口への評価は再び大きく波打つ状況となっている。記事では「この敏捷なウインガーは2試合出場停止となり、再び2番手に落ちてしまう可能性がある」、「この退場で日本人選手が困難に陥ることは疑いようのないこと」など原口の立場が危うくなると指摘している。

 苦境の26歳はこの逆境を跳ね除けることができるのだろうか。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images