(Youtube 연합뉴스 TVチャンネルより)

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 フィギュアスケートのシーズン到来で、羽生結弦選手や本田真凛選手の活躍に注目が集まっているが、彼らが金メダルを目指す韓国・平昌冬季オリンピックが危機的な状況となっている。

 韓国の中央日報の報道によれば、開催まで130日ほどに迫った平昌五輪の入場券の販売が一向に進まないという。

 平昌冬季五輪組織委員会が提出した資料によれば、入場券の総発売枚数が約27万枚程度になるのではと予想されている。これは販売目標枚数である107万枚の約27%にしかならない。ちなみに、販売予想枚数27万枚のうちの17万枚は、既に海外で販売し終えたものであるから深刻だ。

 また種目間の人気の温度差も顕著だ。人気種目であるスピードスケートのショートトラック競技の入場券は、前回大会より2倍以上高く設定されているにも関わらず2万5千枚以上販売されており、既に目標値の62%を達成している反面、ボブスレー等の不人気種目の販売数は目標値の10%程度に留まっている。

 3月に開催されるパラリンピックの状況は更に暗澹としている。今月12日までの販売枚数は、開会式・閉会式を含め361枚しか売れていない。目標枚数の22万枚に対し僅か0.1%という結果だ。

 韓国・教育文化体育観光委員会に所属するノ・ウンレ議員は、「(朴槿恵前大統領の)国政問題に関わる疑惑や予算の削減、更には国民の無関心の三重苦の状態にある」としながら、多くの国民が関心を持つよう訴えている。

 平昌五輪の惨憺たる状況を受けて、文在寅大統領もパフォーマンスに熱心だ。9月5日から始まった、オリンピック入場券のオンライン販売を、自らが購入することによりアピールしている。

 文大統領が購入したのは、フィギアスケートの観覧券。フィギアスケートは浅田真央選手のライバルであり、「国民の妹」と呼ばれた韓国の大スターキム・ヨナ選手の影響もあり、スピードスケートに負けず劣らない人気種目だ。

 大統領が入場券を直接購入する姿を見せ、平昌五輪の入場券を一枚でも多く売りたいところであろうが、販売の促進どころか、より危うい状況になっている。それが、北朝鮮のミサイル問題だ。

◆韓国にとっては朝鮮半島の平和と安全をアピールする絶好の機会

 アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長が激しい舌戦を繰り広げ、最悪の場合、朝鮮半島が再び戦禍に巻き込まれそうな様相を呈し始めた。このような状況のなか、2024年夏季オリンピックのパリ開催を決めたフランスが、「選手団の安全が担保できないのであれば、平昌五輪への参加を取りやめるかも知れない」と不参加の意思があることを示唆したのだ。

 このような動きは、フランスだけではなく、特にヨーロッパのいくつかの国でも出ていて、韓国政府は各国にある大使館を通じ、平昌五輪の安全性の説明に躍起だ。

 安定しない朝鮮半島情勢を加えれば、韓国は平昌五輪に向け四重苦を強いられていることになる。

 そんな状況のなか、北朝鮮が平昌五輪に参加するかも知れないというニュースが飛び込んできた。その可能性に言及したのは、文化体育観光部のノ・テガン次官で、彼は滞在先のニューヨークで、外国記者に向けて自信満々に北朝鮮の平昌五輪参加の可能性を語った。

 ノ次官によれば、IOCを単一の窓口にしながら、北朝鮮関係者との接触を図っており、IOCの担当者も仲介の役割をしっかりと果たしてくれていると言う。

 ノ次官は外国記者との懇談会の場で、過去の南北スポーツ交流の傍らには北朝鮮の「前例のない脅威」があったが、いつも劇的な形で成功を収めてきたと語った。

 この件に関しては、北朝鮮のチャン・ウン五輪委員会委員もオリンピックチャンネルのインタビューに対し「スポーツと政治は別だ。平昌五輪(参加)に問題はない」と答えたことがある。

 暗雲が立ち込める朝鮮半島情勢のなか、北朝鮮の平昌五輪参加が正式に決定すれば、韓国としては朝鮮半島の平和と安全を訴える絶好の材料となる。平昌五輪の成功に向けた、大きなカギを握っているのが北朝鮮という皮肉な話ではあるが。

<文・安達 夕 @yuu_adachi>