<これまで一番背の高いファラオ、ラムセス2世の記録を更新することに>

古代エジプトを治めたファラオが巨人症だった可能性が出てきた。およそ4700年前のウル第3王朝時代のサナク―ト王の可能性があるミイラは、身長が約187cmもあり、巨人症としては最古の症例という。

糖尿病と内分泌学に関する医学メディア「The Lancet Diabetes&Endocrinology」によると、このミイラは1901年に、エジプトのルクソールで発見されたもの。古代エジプトの都テーベがあった場所で、現在も数多くの遺跡が残っており、カルナック神殿や「死者の都」があることで知られている。

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エジプト人の平均身長は165cm

歴史情報サイト「New Historian」によれば、古代エジプト人(王族)の平均身長は、男性165センチ。259柱のミイラから導き出した数字という。これまで発見された最も身長が高いラムセス2世のミイラは全長173.3cm。生前はこれより10cm以上大きかったと推定されている。

今回見つかったミイラは、乾燥した状態でもラムセス2世より約14cmも大きい。他の王族のミイラと比べても群を抜いた大男だったことがわかる。

チューリヒ大学のフランチェスコ・ガラッシ博士とそのチームは、この異常に大きいミイラが生前、脳下垂体異常で成長ホルモンが過剰分泌される疾患、巨人症を患っていたと考えている。この仮説が本当ならば、確認された世界最古の巨人症患者になるという。骨格を分析した結果、頭がい骨は普通のサイズで「(首以下)の長い骨だけが活発に成長していて、巨人症の兆候」が見られた。

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(「サナク―ト王は世界最古の巨人症かもしれない」)

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部