残り3試合。2018年W杯アジア最終予選はいよいよ佳境を迎えている。7戦を終えて首位に立った日本の次なる相手は、すでにW杯出場が絶望となったイラク(6月13日/イラン)。勝てば、プレーオフ出場圏内の3位以上が確定する大事な一戦だ。逆に、勝ち点を落とすようなことがあれば、熾烈なサバイバルに再び巻き込まれることになる。

【W杯アジア最終予選 グループB順位表】
           勝ち点 勝ち 分け 負け 得点 失点
1位 日本       16  5  1  1  14  5
2位 サウジアラビア  16  5  1  2  15  8
3位 オーストラリア  16  4  4  0  14  8
4位 UAE      9  3  0  4  7  10
5位 イラク      4  1  1  5  7  10
6位 タイ       1  0  1  6  3  19
※2017年6月11日時点。サウジアラビアとオーストラリアはすでに8戦目を消化。


ホームで行なわれたイラク戦は2-1の辛勝だった。photo by Masuda Yuichi テータ的には、日本有利は動かない。それだけ、イラクとの相性はいい。2000年以降、7度対戦しているが、7連勝と圧倒している。

 また、現代表メンバーのFW原口元気は、イラク戦2試合に出場して2得点を記録。他にも、FW本田圭佑、FW岡崎慎司もイラク相手にはそれぞれ2ゴールをマークしていて、イラクとの相性がいい選手が多いのも好材料だ。

【日本vsイラク 2000年以降の対戦成績】
2000年=日本4○1イラク(アジア杯/レバノン)
2004年=日本2○0イラク(親善試合/日本)
2012年=日本1○0イラク(W杯予選/日本)
2013年=日本1○0イラク(W杯予選/カタール)
2015年=日本1○0イラク(アジア杯/オーストラリア)
2015年=日本4○0イラク(親善試合/日本)
2016年=日本2○1イラク(W杯予選/日本)

 さらに、今回は中立地開催となるが、W杯予選における日本の「中立地開催」での成績はすこぶるいい。最近10試合では、9勝1分けと無敗。カタールのドーハで行なわれた1994年W杯最終予選で、イランに1-2と敗れたのを最後に、W杯予選の中立地開催では20年以上黒星を喫していない。しかも、現在は7連勝中だ。

 過去、W杯予選における中立地開催試合は、日本にとって思い出深い試合が多い。「ドーハの悲劇」と呼ばれる、1994年W杯最終予選のイラク戦。2-1でリードのロスタイムに痛恨の失点を喫して、目前に迫っていた初のW杯出場を逃した。

「ジョホールバルの歓喜」と言われる、1998年W杯アジア第3代表決定戦のイラン戦。岡野雅行の劇的なゴールで、初のW杯出場を決めた。

 そして、バンコクで行なわれた2006年W杯最終予選の北朝鮮戦。無観客試合という異様な雰囲気の中、柳沢敦と大黒将志がゴールを挙げ、3大会連続のW杯出場を決めた。

 今回は、イラクとの一戦で勝利を収め、6大会連続のW杯出場に王手をかけたいところだ。

【W杯予選中立地開催による、日本の過去10戦の戦績】
1994年W杯予選=日本3○0北朝鮮(カタール)
1994年W杯予選=日本1○0韓国(カタール)
1994年W杯予選=日本2△2イラク(カタール)
1998年W杯予選=日本10○0マカオ(オマーン)
1998年W杯予選=日本6○0ネパール(オマーン)
1998年W杯予選=日本3○2イラン(マレーシア)
2006年W杯予選=日本2○0北朝鮮(タイ)
2014年W杯予選=日本1○0イラク(カタール)
2018年W杯予選=日本6○0アフガニスタン(イラン)
2018年W杯予選=日本3○0シリア(オマーン)

 ただし、今回の舞台となるイラン・テヘランでのイラクには要注意。イラクは国内の政情不安の影響で今予選のホーム戦すべてを中立地で行なっているが、テヘランで行なわれた試合に関しては3勝2分けと無敗なのだ。

 前節、3月のオーストラリア戦もドローに持ち込むなど、同地では強豪とも互角に渡り合っている。世間の風潮は「日本が勝って当たり前」といったムードも感じられるが、あまりに楽観視しすぎていると、足をすくわれかねない。油断は禁物だ。

【2018年W杯アジア予選、イラン開催によるイラクの戦績】
2015年=イラク5○1台湾
2016年=イラク2△2タイ
2016年=イラク1○0ベトナム
2016年=イラク4○0タイ
2017年=イラク1△1オーストラリア

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