中国では何かにつけて中国高速鉄道と新幹線を比較する報道が多いが、中国メディアの今日頭条はこのほど、中国人旅行客が日本で撮影したという動画を掲載し、新幹線に実際に乗車してみて感じた「中国高速鉄道との違い」について紹介する記事を掲載した。(イメージ写真提供:(C)Sakarin Sawasdinaka/123RF.COM)

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 中国では何かにつけて中国高速鉄道新幹線を比較する報道が多いが、中国メディアの今日頭条はこのほど、中国人旅行客が日本で撮影したという動画を掲載し、新幹線に実際に乗車してみて感じた「中国高速鉄道との違い」について紹介する記事を掲載した。

 記事がまず指摘したのは、新幹線の駅構内が「秩序正しく、誰一人として大声で騒いでいない」ことだ。人の流れはひっきりなしにあるにもかかわらず、聞こえてくるのは「足音」だけで、多くの利用客が駅構内にいるとは思えないほど静かだ。

 また、中国では地下鉄に乗るにも高速鉄道に乗るにも手荷物検査が必要だが、日本ではその必要がないことにも衝撃を受けたようだ。日本の駅では、改札口以外には駅員どころか警備員も見当たらないが、中国ではこうした公共の場所の警備がどんどん厳しくなっており、ライフルを持った警官が数人一組で見回りをしているのも珍しい光景ではない。いかに中国の社会情勢が不安定で、治安にリスクがあるかを示す光景と言えるが、日本では新幹線という経済にとって重要な交通インフラでも厳重な警備が必要ないということは、それだけ日本の治安が良いということでもあるだろう。

 では、乗車時に気が付いた違いとはどんな点だろうか。記事は、「まだ降りていないのに乗り込んでくる人」は見られず、降りる客を優先させる日本人の乗車マナーの高さを称賛した。さらに新幹線の車内では「中国のおばさん」のように大声でおしゃべりする人はおらず、車内でお菓子を食べる、物乞いをする、歌を歌ってお金を要求する人もいないと指摘。本や新聞を読んでいる乗客が多く、携帯電話やスマートフォンを触っている人が意外に少ないことも驚きだったと伝えた。

 そして最後に強調したのが、新幹線では先を争うように座席を取り合う人が「まったくいなかった」ということだ。中国ではバスでも地下鉄でも、空いている座席を確保するために、まだ乗客が降りきっていないのに車両に無理やり乗り込もうとする人がいるが、このようなマナー違反をする人は新幹線はもちろん、日本ではまったく見られなかったことに衝撃を受けたようだ。

 中国は、高速鉄道の総延長距離や営業速度といった数字を誇りにしているが乗客が気持ち良く利用できるかどうかはより重要なことだ。この点で日本は、まだまだ中国の先を行っていると言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Sakarin Sawasdinaka/123RF.COM)