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 マネー雑誌を読むと、どの雑誌も、株主優待の特集が組まれており、記事の目玉のひとつになっている。真っ先に株主優待、それに次いで、推奨する個別銘柄の記事があり、さらに、劣後して、投資信託の記事がある。

 株主優待が今のように注目を浴びることになったのは、テレビ、雑誌、ネットで幅広く露出し、株主優待のスター、エバンジェリストとなった元プロ棋士の桐谷広人氏が果たした貢献も大きい。桐谷氏は、1984年から30年超、株主優待銘柄に投資を行ってきた。株主優待で生活し、現金の使用が少ないことで知られていた。

 企業サイドからの株主優待を増やす要因としては、個人投資家に株式を保有してもらい安定株主を増やすことである。2014 年1 月にNISAがスタートしたことも、株主優待を実施する企業が増加する要因となった。現在、過去最高の1331 件、全上場銘柄の33.8%が株主優待を実施している。株主優待品には、金券・ギフト、食品、暮らし関連、教養・娯楽、食事券、ファッション、乗り物などがある。(参照:日本取引所グループ)

 そんな大人気の株主優待だが、米国株や英国株にも株主優待はあるのだろうか?

 米国および英国で株主優待があるのか、もしあるなら、それはどのような株主優待なのか? 結論から言うと、米国および英国でも件数は少ないが日本の株主優待に相当するものがあった。英語では、株主優待は「Shareholder Perks」と呼ばれている。以下、事例を紹介する。

◆米国の「株主優待」

・カーニバル・コーポレーション(Carnival Corporation./Carnival plc)

 カーニバルは世界最大のクルーズ客船の運航会社である。米国マイアミとイギリス・ロンドンに本社を置く。ニューヨークおよびロンドン株式市場に上場している。カーニバルクルーズライン、コスタ・クルーズ、P&O クルーズ オーストラリア、P&Oクルーズ、プリンセス・クルーズ他のクルーズブランドを持つ。

 カーニバルの株主は、クルーズ客船の乗船日数に応じて割引の特典が得られる。例として、北米ブランドのクルーズ客船への乗船の場合、株主は、14日以上の乗船で250ドル、7日以上13日までの乗船で100ドル、6日間までの乗船で50ドルの割引の特典が得られる。(参照:「Carnival Corporation」)

・ウィラメット・ヴァレー・ヴィンヤーズ(Willamette Valley Vineyards)

 ウィラメット・ヴァレー・ヴィンヤーズは、オレゴン州ターナーにあるワイナリー。「ウィラメット・ヴァレー・ヴィンヤーズ」、「グリフィン・クリーク」、「テュアラティン・エステート」などのブランドがある。ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・グリ、ロゼ、リースリングなどのワインを製造、販売している。

 ウィラメット・ヴァレー・ヴィンヤーズの株主は、次のような株主優待が得られる。(他にも特典はあるが、一部のみ紹介)

1.ワイナリーで特別なイベントへ参加できる
2.限定生産ワイン、割引価格ワインを優先的に購入できる
3.ウィラメット・ヴァレー・ヴィンヤーズ(WVV)ワインクラブを通じての割引価格での購入が可能
(参照:「Willamette Valley Vineyards」)

◆英国の「株主優待」

・アソシエイテッド ブリティッシュ フーズ(Associated British Foods PLC)

 アソシエイテッド ブリティッシュ フーズ社は、イギリス・ロンドンに本社を置く英国の大手多国籍食品加工・小売企業。主な業種は、食料品、砂糖、農業、食材、小売である。食料品事業部門は、卸小売業や外食企業に販売されるホットドリンク、甘味料、植物油、パン、焼き菓子、シリアル、ハーブ、スパイスなどの食料品の製造を行っている。有名ブランドでは、紅茶の“Twinings”がある。砂糖事業部門は、テンサイやサトウキビの栽培・加工を行っている。農業事業部門は、動物飼料およびその他の関連製品の製造・販売。(参照:「Associated British Foods」)