佐野ひなこ「最初は演技をするのが恥ずかしかったけど…」――女優を“仕事”にする決意
「もっと早く、この世界に飛び込んで、女優の仕事に打ち込んでおけばよかったなって」。佐野ひなこは、ちょっぴり残念そうにそう漏らした。映画『咲-Saki-』の高校生キャストたちのきらめきが、彼女にそう言わせたのかもしれないが、その言葉からは後悔の念よりも、いかにいま、彼女が女優という仕事に充実を感じているかが伝わってくる。女優としてのキャリアはまだ3年あまりだが、次々と話題作に出演し、存在感を発揮している。特に今回、原作漫画の大ファンとあって、並々ならぬ思いで臨んだ。
撮影/川野結李歌 取材・文/黒豆直樹 制作/iD inc.
――ヒロインの宮永 咲(演:浜辺美波)をはじめ、可憐な女子高生たちが麻雀に青春を燃やす姿を描く本作。連続ドラマ、特別編に続き今回、劇場版が公開となりましたが、もともと、原作漫画の大ファンだそうですね?
私が中学生くらいのときにちょうどアニメが放送されていて、そこから入りました。DVDも原作漫画も全巻持ってます!
――女子高生と麻雀という組み合わせが新鮮ですが、佐野さんはこの作品のどこに惹かれたんでしょうか?
麻雀のことはほとんど何も知らなかったんですよ。だから「何なんだろう?」と思いながら見てたんですけど、咲が嶺上開花(リンシャンカイホウ/麻雀の役のひとつで咲が得意とする)をするところで花が舞って、それが好きで。ルールを知らないながらも「これ、すごいことしてるんだ…」って感覚で、そこから咲に惹かれたんです。
――麻雀が好きで「面白い麻雀漫画が出てきた!」ではなく…。
最初は全然、わかんなかったんですよ(笑)。でもひとりひとりのキャラクターの色が違って、(咲がいる)清澄高校だけでもみんな濃いけど、そこにさらに強豪校が出てきて、どんどん引き込まれていきました。
――いまは麻雀のルールは?
この作品に出演することが決まってから必死に覚えましたね! 勉強していくうちに、奥深くて、おもしろい! と発見しまして…。今回の映画で言うと、何がすごいって、大将戦で鶴賀学園の加治木ゆみ(演:岡本夏美)が槍槓(チャンカン)で上がるんです。その後、咲は国士無双がテンパってて、そこで槍槓からの読み合いがあり……(※編集部注:ここから1分ほど、麻雀トークが展開したため中略)……いやぁ感動しましたね!
――熱いですね! 原作ファンにしてみたら、連続ドラマ、特別編と来て、今回の映画でのインターハイ出場を賭けた県予選という流れは…。
たまんないですよねぇ…。素晴らしい! うれしい! しかもキャストのみなさんの再現度が高いんですよ。みんな、原作と似てて「あ、2次元だ! 2次元がそのまま3次元になったんだ」って思いましたね。
――そこまで『咲-Saki-』を愛していて、ご自身に出演オファーが来たときはいかがでしたか? 佐野さんが演じたのは、強豪・風越女子高校の鬼コーチ・久保貴子ですね。
もちろん、スパルタの久保コーチのことは知ってましたが、私とは違う印象だったので驚きが大きかったですね。「え? 久保さん?」って(笑)。意外でした。
――久保さんはコーチなので、残念ながら映画で自ら雀卓を囲むことはありませんが…。
プレイヤーがやりたかったですね…本音は。でも高校生の役はみなさん、お若いので(苦笑)。
――いやいや、佐野さんが高校生役でも、全然おかしくなかったと思います。
いやいやいや、さすがにね(笑)。「いいなぁ…」と思いながら雀卓を囲んでるみなさんを見てて、「この話がせめて2〜3年前だったらなぁ」ってちょっと嫉妬しましたね。
――もしも、本当に2〜3年前に高校生役で話が来ていたとしたら、誰を演じたかったですか?
ちょうど、撮影した頃は髪をショートにしたばかりだったので、咲かなぁ? キャラクター的にはみんな好きなんですけど……誰がいいかな(笑)。あ、部長(竹井 久/演:古畑星夏)ですかね? うん、部長が好きですね。
――竹井部長はどちらかというと明るくて理知的で、鬼コーチの久保とは正反対ともいえるタイプですね。
だから最初は、自分が久保コーチを演じるというイメージがまったくなかったんですよ(笑)。
――久保コーチは、登場するやいなや、風越女子高校の部員に対して…。
いきなりビンタかましますからね。美少女をたたくなんて、ホント、心が痛みますよ…(苦笑)。完成した映像を見て、ホント、ひどい人だなって(笑)。
――美少女たちを叱り飛ばすのは、実は快感だったりしませんでしたか?(笑)
あはは! 普段、なかなかできないので、確かにやってて楽しかったです(笑)。ここまで罵声を浴びせるような役も初めてですし。池田華奈ちゃん(演:武田玲奈)はかわいそうですけど、でも「池田ァ!」ってもっと怒鳴ってもよかったかな?(笑)
――とはいえ、久保コーチはただ罵声を浴びせるだけではありません。
映画を見て一番好きだったのが、池田が大将戦で、役満で上がるところ。「そろそろ混ぜろよ」というセリフがあって、久保目線で本気でウルッとしちゃいましたね。
――麻雀を実際にプレイする人が見ても楽しめる、かなりハイレベルな試合展開が描かれていますが、同時に、登場人物たちの心理描写もひとりひとり丁寧に描かれていますよね。
そうなんです。鶴賀学園のモモちゃん(東横桃子/演:あの)が、「自分は必要とされていない人間だ」と思っているなかで、「キミが欲しい」とメンバーが足りない麻雀部に誘われて、そこで絆が生まれたり。麻雀って、ルールを覚えたての初心者が上級者に勝てる競技でもあって、大会でもそういうシーンがあったりして、まるでスポーツのような、体育会系の部活っぽい友情がすごくよかったです。
撮影/川野結李歌 取材・文/黒豆直樹 制作/iD inc.
もはや原作ファン目線!? 再現度の高さを絶賛
――ヒロインの宮永 咲(演:浜辺美波)をはじめ、可憐な女子高生たちが麻雀に青春を燃やす姿を描く本作。連続ドラマ、特別編に続き今回、劇場版が公開となりましたが、もともと、原作漫画の大ファンだそうですね?
私が中学生くらいのときにちょうどアニメが放送されていて、そこから入りました。DVDも原作漫画も全巻持ってます!
――女子高生と麻雀という組み合わせが新鮮ですが、佐野さんはこの作品のどこに惹かれたんでしょうか?
麻雀のことはほとんど何も知らなかったんですよ。だから「何なんだろう?」と思いながら見てたんですけど、咲が嶺上開花(リンシャンカイホウ/麻雀の役のひとつで咲が得意とする)をするところで花が舞って、それが好きで。ルールを知らないながらも「これ、すごいことしてるんだ…」って感覚で、そこから咲に惹かれたんです。
――麻雀が好きで「面白い麻雀漫画が出てきた!」ではなく…。
最初は全然、わかんなかったんですよ(笑)。でもひとりひとりのキャラクターの色が違って、(咲がいる)清澄高校だけでもみんな濃いけど、そこにさらに強豪校が出てきて、どんどん引き込まれていきました。
――いまは麻雀のルールは?
この作品に出演することが決まってから必死に覚えましたね! 勉強していくうちに、奥深くて、おもしろい! と発見しまして…。今回の映画で言うと、何がすごいって、大将戦で鶴賀学園の加治木ゆみ(演:岡本夏美)が槍槓(チャンカン)で上がるんです。その後、咲は国士無双がテンパってて、そこで槍槓からの読み合いがあり……(※編集部注:ここから1分ほど、麻雀トークが展開したため中略)……いやぁ感動しましたね!
――熱いですね! 原作ファンにしてみたら、連続ドラマ、特別編と来て、今回の映画でのインターハイ出場を賭けた県予選という流れは…。
たまんないですよねぇ…。素晴らしい! うれしい! しかもキャストのみなさんの再現度が高いんですよ。みんな、原作と似てて「あ、2次元だ! 2次元がそのまま3次元になったんだ」って思いましたね。
――そこまで『咲-Saki-』を愛していて、ご自身に出演オファーが来たときはいかがでしたか? 佐野さんが演じたのは、強豪・風越女子高校の鬼コーチ・久保貴子ですね。
もちろん、スパルタの久保コーチのことは知ってましたが、私とは違う印象だったので驚きが大きかったですね。「え? 久保さん?」って(笑)。意外でした。
――久保さんはコーチなので、残念ながら映画で自ら雀卓を囲むことはありませんが…。
プレイヤーがやりたかったですね…本音は。でも高校生の役はみなさん、お若いので(苦笑)。
――いやいや、佐野さんが高校生役でも、全然おかしくなかったと思います。
いやいやいや、さすがにね(笑)。「いいなぁ…」と思いながら雀卓を囲んでるみなさんを見てて、「この話がせめて2〜3年前だったらなぁ」ってちょっと嫉妬しましたね。
強豪校の鬼コーチ役 美少女へのビンタに快感!?
――もしも、本当に2〜3年前に高校生役で話が来ていたとしたら、誰を演じたかったですか?
ちょうど、撮影した頃は髪をショートにしたばかりだったので、咲かなぁ? キャラクター的にはみんな好きなんですけど……誰がいいかな(笑)。あ、部長(竹井 久/演:古畑星夏)ですかね? うん、部長が好きですね。
――竹井部長はどちらかというと明るくて理知的で、鬼コーチの久保とは正反対ともいえるタイプですね。
だから最初は、自分が久保コーチを演じるというイメージがまったくなかったんですよ(笑)。
――久保コーチは、登場するやいなや、風越女子高校の部員に対して…。
いきなりビンタかましますからね。美少女をたたくなんて、ホント、心が痛みますよ…(苦笑)。完成した映像を見て、ホント、ひどい人だなって(笑)。
――美少女たちを叱り飛ばすのは、実は快感だったりしませんでしたか?(笑)
あはは! 普段、なかなかできないので、確かにやってて楽しかったです(笑)。ここまで罵声を浴びせるような役も初めてですし。池田華奈ちゃん(演:武田玲奈)はかわいそうですけど、でも「池田ァ!」ってもっと怒鳴ってもよかったかな?(笑)
――とはいえ、久保コーチはただ罵声を浴びせるだけではありません。
映画を見て一番好きだったのが、池田が大将戦で、役満で上がるところ。「そろそろ混ぜろよ」というセリフがあって、久保目線で本気でウルッとしちゃいましたね。
――麻雀を実際にプレイする人が見ても楽しめる、かなりハイレベルな試合展開が描かれていますが、同時に、登場人物たちの心理描写もひとりひとり丁寧に描かれていますよね。
そうなんです。鶴賀学園のモモちゃん(東横桃子/演:あの)が、「自分は必要とされていない人間だ」と思っているなかで、「キミが欲しい」とメンバーが足りない麻雀部に誘われて、そこで絆が生まれたり。麻雀って、ルールを覚えたての初心者が上級者に勝てる競技でもあって、大会でもそういうシーンがあったりして、まるでスポーツのような、体育会系の部活っぽい友情がすごくよかったです。