「この木なんの木」維持費は年間5000万円 「ふしぎ発見!」草野氏が明かす
「この木なんの木」で知られる日立グループの「日立の樹」の維持管理費が毎年5000万にのぼるという、意外な話がテレビ番組で明かされた。
この「5000万円」という額を明かしたのは、フリーアナウンサーの草野仁さん(72)。日立側は「答えられない」としているが、草野さんは日立提供の「世界・ふしぎ発見!」(TBS)の司会を1986年4月の番組開始から務めているだけに、信ぴょう性は高そうだ。
ハワイの所有者に撮影権込みで払っている
「日立の樹」のCMは1973年に初めて登場。初代CMに登場する樹はイラストだったが、75年の第2代に実写の「モンキーポッド」が登場。この「モンキーポッド」が、現在定着している「日立の樹」だ。ハワイ・オアフ島の「モアナルア・ガーデンパーク」にあり、樹齢は約130年。高さは約25メートル、幹の胴回りは約7メートル、枝葉の広がりの幅は約40メートルに及ぶ。
79〜84年にかけて放送された第3代〜第5代CMでは、シンガポールやロサンゼルスにある別の木が登場したが、84年の第6代にはオアフ島の「モンキーポッド」が復活。05年から現在も放送が続いている第9代まで、「日立の顔」として定着している。
この「日立の樹」の意外な背景を、草野さんが2016年11月4日放送のバラエティー番組「快傑えみちゃんねる」(関西テレビ)で明かした。この日の番組のテーマは「ギョーカイ裏話!大放出SP」で、草野さんが「ふしぎ発見!」の内幕を明かすという趣向だ。草野さんは、「モアナルア・ガーデンパーク」の「モンキーポッド」について
「元々中南米原産だったあの木を持ってきたら、すごく繁殖したということで、あのガーデンに沢山ある。その中の一番素晴らしいものを日立の方が『これをわが社のシンボルにしたい』ということで目を付けられまして...」
などと来歴を説明した上で、
「それで土地の所有者と契約を交わして、毎年管理をしてもらう。それから撮影権を含めて、1年にほぼ5000万円のお金を、今でもずっと払い続けて、日立さんやってこられた」
と明かした。草野さんは
「今、日本中の方が『この木なんの木』を皆さん『日立の樹』だということで知るようになりましたね?そういう、やっぱり長い見通しを持って、やってらっしゃる」
とも話し、「日立の樹」のブランドイメージに対する貢献を強調していた。
現地紙は「年に40万ドルを10年間」と報じる
日立の広報・IR部では、この「5000万円」という額について
「契約内容については答えられない」
と確認を避けているが、10年ほど前には現地で同様の額が報じられている。
地元紙「ホノルル・アドバタイザー」が07年に報じたところによると、「モアナルア・ガーデンパーク」の所有者が変わったのを機に、新しいオーナーと日立は06年12月末、年に40万ドル(現在のレートで約4180万円)を10年間にわたって支払う契約を締結したという。同紙では「合意内容の写しを入手した」上で報じたとしている。
公園全体を運営するのにかかる費用は60万ドル(約6270万円)で、日立の支出だけではまかなえないため、公園の一部を結婚式場として貸し出すなどして収入を得ているという。