2016年10月17日、次のようなツイートが投稿され、話題となっている。

2010年に公開され、人気を呼んだアニメーション映画『涼宮ハルヒの消失』の聖地の一つが、文字通り「消失」しようとしている、という内容だ。

これはいったい、どういうことだろう?

「夙川に無い夙川学院......」

公開時のポスター(Junya Oguraさん撮影、Flickrより)

映画『涼宮ハルヒの消失』は、テレビアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の劇場版として展開される。作中で、メインキャラクターである涼宮ハルヒは「光陽園学院」なる高校に通っている設定なのだが、その光陽園学院のモデルとなったのが、夙川学院中・高校ではないかとささやかれている。

主人公であるキョンがハルヒと「出会う」場面は、冒頭のツイートで紹介された校門前だ。物語の転回点となるシーンだけに、「聖地」としてファンには知られていた。

夙川学院はその名のとおり、阪急神戸線夙川駅にほど近い、兵庫県西宮市の神園町にあった。1880年に裁縫所として開設し、1901年に裁縫女学校として創立した。創立100年を超える女子校として知られており、とくにスポーツが盛んで、テニス、ソフトボール、バレーボール、バスケットボール、柔道などは、全国大会で活躍し、数多くの名選手を輩出している。

ところが近年、当時の経営陣が投機失敗などにより多額の損失を出してしまったことなどもあり、経営状態が悪化。結局、神戸夙川学院大は廃校となり、夙川学院中学・高校は2016年4月、西宮市から大学のあった神戸市中央区ポートアイランドに移転している。そして、上記のツイートにもあるとおり、旧校舎の取り壊しが始まった、というわけだ。

「それもう夙川関係ないじゃん!!」「夙川に無い夙川学院......」といった感想だ。地元の人でも意外に知らない人もいるようだ。

また、アニメファンなどからは聖地の「消失」を惜しむ声も。