囲み取材に応じるX JAPANのYOSHIKI

 日本最大級のヴィジュアル系ロックバンドの音楽フェス『VISUAL JAPAN SUMMIT 2016』が14日、千葉市美浜区の幕張メッセで開幕した。この日は病気療養中だった、X JAPANのギタリスト・PATAが本格復帰。前日は朝6時までリハーサルをおこなっていたというハードなスケジュールながらも、本編では時折、笑顔をみせるなど、ファンに快調な回復ぶりと変わらぬパフォーマンスをみせ、魅了した。

 PATAは今年1月15日から都内の病院に入院。ICU(集中治療室)で治療を受け、深刻な状況からは抜け出したものの小康状態を保っているとも伝えられたが3月に一度退院。8月に再手術を受けることが報じられていた。その後は順調に快方へと向かい、8月11日にPATA自らがフェイスブックを通じて「工事完了! 退院しました」と報告。「今度は、借りを返す番です」と、同フェスへの意気込みを綴っていた。

 PATAの入院でX JAPANとしての活動は一時休止に。3月12日に予定されていた英ロンドン公演は延期となっていたが、X JAPANのリーダーであるYOSHIKIも8月15日のツイッターで「もうメンバーを失いたくないよ..本当によかった!」「次は @VJSOfficialで復活!」と同フェスで完全復活することを綴っていた。

 同フェス初日となった14日、YOSHIKIは会場で報道陣の囲み取材に応じていた。このなかで「お蔭様でほぼ完全に復活しまして。信じられないですよね。一時は生死を彷徨っていましたので」とPATAの復帰を喜ぶとともに、前日は朝6時までリハーサルをやっていたことを明かし「本番前にまた具合が悪くなっちゃうんじゃないかと心配しています」と笑みをこぼしつつ「また、このメンバーで集まれることは幸せですね」と述べていた。

 この日はX JAPANがトリで出演。本格復帰したPATAとともに、活動を再開させた。PATAは、病み上がりとは思えないほど軽快なギタープレイをみせた。SUGIZOと何度も肩を並べユニゾンの旋律を奏でた。時折、笑顔を見せ、ステージも縦横無尽に歩いた。また、終盤にはステージに腰を掛けて感慨深く、観客席を見渡す表情が印象的だった。

 そんなPATAにYOSHIKIはMCで「PATAが元気になって。本当に心配かけて。そんなPATAに新たなニックネームを考えました。“病み上がりのPATA”(笑)。皆言ってあげて。“酒の飲むなって”。“タバコも吸うなって”。でも良かった」と満面の笑みを浮かべながら、ステージ復帰を喜んだ。

 また、YOSHIKIは同フェスが無事初日を迎えたことに「こうやって長い月日が流れて、LUNA SEAやGLAY、TOKYO YANKEESとか、仲間で一つの空間を分かち合えることは良いもんだなって。頑張ってきてよかった。色々あったけど、こうやって自由に音楽をやれて、本当に幸せです。本当にありがとう」と感謝の言葉を送った。

 『VISUAL JAPAN SUMMIT 2016』は15日、16日と続く。3日間の開催で10万人を動員予定。(取材・木村陽仁)