【前園真聖の視点】元五輪キャプテンが期待する遠藤航の“覚醒”。リオ五輪でひと皮剥けろ!
今後は、オーバーエイジもチームに加わってくるけど、大会中も含めて、遠藤がどうやってチームを束ねていくのか。苦しい時間帯に、どんなひと言を周囲にかけられるか。チームを鼓舞するような行動をとれるのか。そういった点がこれからは大事になってくるかなと考えている。
僕らの時と違って、どちらかというと手倉森ジャパンはおとなしい印象がある。遠藤も淡々とプレーするタイプに見えるけど、でもどこかで、厳しい口調で指示を出したり、胸の内に秘めている“熱い”部分を表現することも、時には必要になってくるのではないだろうか。
五輪の舞台では、これまでとはまったく違う厳しい戦いになるはず。その時にどんなキャプテンシーを遠藤が発揮するかに期待したい。
本当の逆境に立たされた時に、どう覚醒するか。あの冷静な遠藤が、感情を剥き出しにして、プレーであれ、言葉であれ、周囲になにかを訴えかけるような激しさを見せた時、チームはまたひとつグッと強くなる気がする。
その他で注目する選手を挙げるとすれば、中島翔哉。FC東京では思うように出場機会に恵まれていないけど、代表ではキープレーヤーになる。最終予選でも貴重なゴールを決めているし、なによりもサッカーをよく知っている。
自ら仕掛けられて、ゲームの流れや周りの状況を見てキープしたり、時間を上手く使ったりできる。ファウルのもらい方も上手い。それでいて、守備も精力的にこなす。
持ち味のドリブルは、常にゴールに向かう姿勢で、小柄だけどクイックネスに優れるから、相手にとって嫌な選手だと思う。
遠藤や中島だけでなく、将来性のある若い選手たちのチャレンジは、今から楽しみでならない。目標とするメダルをぜひ獲得してほしい。