中国が「親密な国家関係」の構築に最も成功したのはパキスタンと言ってよい。両国共にインドと対峙するという「敵の敵は友」との背景があった。しかし両国が経済交流の一層の活性化を目指して建設を進めている「中巴経済走廊(中パ経済回廊)」では、路線の対立が発生しているという。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国が「親密な国家関係」の構築に最も成功したのはパキスタンと言ってよい。両国共にインドと対峙するという「敵の敵は友」との背景があった。しかし両国が経済交流の一層の活性化を目指して建設を進めている「中巴経済走廊(中パ経済回廊)」では、路線の対立が発生しているという。

 「中巴経済走廊」では道路だけでなく、パイプラインや電力ネットワークの建設が予定されている。東路線と西路線が予定されているが、中国は東路線をメーン、西路線を補助的存在と考えているのに対して、パキスタン国内では西路線を重視すべきとの声が高まっているという。

 中国の駐パキスタン大使館は6日、「中巴経済走廊」の西路線でも2015年12月30日に着工式が行われたとして、「われわれはパキスタン政府がパキスタン西部地区との意思疎通の努力をしていることを称讃する」と表明した。

 中国政府・外交部の洪磊報道官は12日の定例記者会見で、パキスタン国内で争議が発生していることについて質問を受けたが、「中巴経済走廊の建設は両国の指導者が合意した重要な共通認識だ。中巴経済走廊は将来、パキスタン全国の各地区をカバーする」、「長期にわたるプロジェクトであり、システマティックな建設であり、科学的な計画が必要だ。順を追って少しずつ、推進と実現を進める」などと回答。

 洪報道官は、パキスタン国内で現行の計画に対する反発が発生していることには直接触れず、原則論に終始した。同回答からはから逆に、中国政府がパキスタン国内の意見の不一致に困惑していることが浮き彫りになった。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)