『[真珠湾]の日〈新装版〉』(半藤 一利) 昭和二〇(一九四五)年八月一四日正午から翌日一五日正午までの二四時間を描いた『日本のいちばん長い日』がそうであったように、日米開戦の契機を題にとった本作もまた、大著である。 本作は、真珠湾攻撃に至るまでの経緯やその直後の動向などを主要な交戦国の公的記録のみならず、報道や文人の手記、人々の記憶を頼りにして高精細に浮かび上がらせる。 “語り部”とも称さ