『奏鳴曲 北里と鷗外』(海堂 尊) 本作品は、ともに「医療の軍隊」を創始しようとした森林太郎(鷗外)と北里柴三郎の、医学での業績と相互の人間的な連関とを、克明にあとづけた大作です。 本書(単行本)のあとがきにおいて、著者は「本作は、衛生学や医療に関しては『歴史其儘(そのまま)』、北里と鷗外の物語は『歴史離れ』と言えます。」また「これは明治の医学、特に衛生学の史伝でもあります。」と