■万引きが日常生活の一部になったサンフランシスコの一角に構える、ドラッグストア大手のウォルグリーンのとある店舗。キャップにジャケット、ナップサックを背負ったどこにでもいそうな長髪の若い男が、取材中のCNNの記者の脇をすり抜ける。鼻歌交じりに店舗を出て行った男の手には、目立つ蛍光オレンジの商品が数点。CNNの記者が店員に問う。「彼、代金を支払いました?」レジ係は答えた。「ノー」。あきらめ顔の店員は、男を追