「少年Aは、模範的で立派な人間とはいえないかもしれない。遺族の立場になって、ものを考えるという段階まで回復はしていない。でも、社会に戻ってきてからの数年間、警察に捕まるようなことはしていない」こう語るのは、神戸連続児童殺傷事件で弁護団長を務めた野口善國氏だ。1997年、当時14歳で「酒鬼薔薇聖斗」と名乗った少年は、小学生2人を殺害し、3人を負傷させた。弁護士になって40年以上の野口氏は「これまで関わった300人