裁判官の仕事は重い。とりわけ世の中を揺るがした重大事件となれば、日本中の注目を集める。だが、裁判官はそうした事件の担当をよろこばないという。明治大学法科大学院教授の瀬木比呂志氏は「裁判官の世界は隔離された官僚型社会で、自分の志を貫くことは難しい。だから大きな事件は担当したくない」と指摘する――。※本稿は、瀬木比呂志『檻の中の裁判官なぜ正義を全うできないのか』(角川新書)の一部を再編集したものです