<文中島早苗(東京新聞情報紙「暮らすめいと」編集長)>ある晩、何気なくつけていたテレビで、「駅ピアノ」という番組を放送していた。ヨーロッパなどの都市の駅に設置されたピアノを、通りがかった人が思い思いに弾いていく。ナレーションはなく、演奏している人がどういう人物なのか、なぜここにピアノを弾きに来たのかなどの説明が、テロップで流れる。ただそれだけの番組なのだが、ピアノや音楽とのつながりという切り口で