衆議院議員であり、ジャーナリストとして活躍する井戸まさえさんが著したノンフィクション『無戸籍の日本人』(集英社/刊)は、これまであまりスポットライトのあたらなかった“無戸籍者たち”に光をあてた一冊である。無戸籍者とは戸籍を持っていない人のことで、日本では推定で一万人以上いるといわれている。戸籍がないということは、例えば、教育や福祉の公的サービスを受ける際に支障をきたすこともあるということだ。