多数決って、少数派が多数派に屈服させられる仕組みのような気がしていた。『多数決を疑う』(坂井豊貴/岩波新書)というタイトルで、そういうことが書いてあると思って読み始めたが、違った。そんな単純な話ではなかった。多数決の根本的な問題『多数決を疑う』は全5章。「第1章多数決からの脱却」は、多数決の仕組みそのものの問題点に迫る。そもそも多数決で多数派の意見は常に尊重されているのか?たとえばAとBが立候補