スタイリング剤やアイロンの力を借りてでも、毛先まで「艶」!! 毛先に傷みを見せないことが黒髪には大切。

写真拡大

「黒髪の女性が増えている」というのは、テレビや雑誌ではよく聞く話。確かに芸能人などには黒髪の人が増えているし、街中でも明るい茶髪の人はあまり見ないけど、かといって「黒髪」ばかりという気はしないけど……。

こうした疑問に、ある女性美容師さんは「黒髪+暗めな髪は、実際増えていると思いますよ」と言い、その理由として「単に茶髪に飽きた」「不景気で髪にお金がかけられないこと」などの他、考えられる要因を挙げてくれた。
「全体的な傾向として、茶髪よりも黒髪は、髪がキレイにパサツいてなく見えるメリットがあります。濃い色と暖色系は、肌うつりがよく、素材が生かされることもあります」
また、10代〜20代などの若い世代の場合は、アイドル、タレントなどに清純派路線が流行っている影響もあるだろう。加えて、濃いつけまつげの流行が黒髪とリンクしていることも考えられるそう。
「さらに、ファッションにお金をかけるJJ世代が白髪染め世代になってきたこともありますね。白髪は、明るく染めづらいですから。加えて、傷み、艶がなくなる、パサつく、ハリ、コシがなくなる、毛量が減り地肌感が出る、年齢による髪の劣化防止などを黒髪のほうが感じさせにくいメリットもあります」

今の時代、全世代に流行るモノはあまりないが、「黒髪」は幅広い世代に受け容れられた稀有な例らしい。
「たとえばトップファッションの流れは、真っ赤な口紅とかスクールガール的なトップスやスカートが、ちょうど黒髪にマッチするということがありますし、一方、ナチュラル系のファッションの人は、もともと黒髪好きですよね。黒髪は、さまざまな世代、さまざまなカルチャーがたまたま重なり合った流行だと思います」

ただ、10代や20代前半などの、何もしなくてもツヤツヤの髪ならともかく、「黒髪が流行ってる=何もしない」というのはたぶん違う。何もしない髪は、地味で、疲れた感じに見えたり、だらしなく見えたりすることもあると思うのだ。
「ここ数年、ヘアー界では断然『艶』と『重さ』がフューチャーされています。まず、パサパサ、ゴワゴワは、だめ! 軽くし過ぎて、スカスカヘアーも、だめ。Aライン(三角形)でツヤツヤが、命なんです」

カラーリングする場合は、色味は自分に似合うもので良いが、「根元から毛先まで同じ色」がポイントだそう。
「自然にしていると、毛先は勝手に明るくなってしまうんですが、毛先が色落ちしていないのが、華やかに見えるポイントだと思います。そして、スタイリング剤やアイロンの力を借りてでも、毛先まで『艶』!! 毛先に傷みを見せないことが大切です。茶髪流行りの頃は、透明感が好まれましたが、今は髪に『重さ』が絶対重要です。何故なら中途半端な茶髪では、スカスカ感や透明感が出ちゃうから。黒髪だと、詰まってる感・重厚感みたいなものが感じられて、リッチ感が出るんです」

ツヤツヤの黒髪はリッチでゴージャスで美しいが、パさついた「ただ黒いだけの髪」はNG。そう思うと、茶髪が流行った時代よりも、黒髪のほうが、むしろケアは大変なのかも。
(田幸和歌子)