どら焼きパンケーキ! 京都・祇園三条にたたずむ和カフェ「シュハリ六甘」より

写真拡大

クレープやティラミスから始まり、タピオカ、パンナコッタ、ワッフルにマカロン、生カステラやフレンチトースト、そしてポップコーンまで――。

海外の有名店が日本に店舗をオープンすると、かならずといって良いほどブームがおこるのがスイーツ業界の常だ。さまざまな流行スイーツが登場してきたが、やはりここ数年で一番話題をさらったのは「パンケーキ」だろう。

ハワイ発の「Eggs’n Things」、「カフェカイラ」、オーストラリア発の「bills」や、エッグベネディクトでもおなじみのニューヨーク発の「サラベス」など、人気店は今もかわらず長い列ができている。

そんな洋風スイーツブームもいいけれど、ときには「和」のお菓子が無性に恋しくなることってあるよなぁ〜。国民的アニメ『ドラえもん』を観たあとなんかは特にどら焼きが食べたくなる。

そもそもどら焼きって和製パンケーキといってもいいのでは? 形状も似ているし。うーん、でもやっぱり俗物根性もあるから、ふわふわしたパンケーキも食べたい! 並びたくはないけど……。

そんな欲深い人間の悩みをすべて叶えてくれる商品、ありました! パンケーキとどら焼きをいいとこ取りした、ズバリ「どら焼きパンケーキ」……! 見よ、世界、これが日本だァァ!

京都旅行で立ち寄りたい「どら焼きパンケーキ」のお店


さて、所は京都。祇園三条にたたずむ和カフェ「シュハリ六甘」は、京都旅行の際にぜひ立ち寄りたいお店だ。昼間でもうっすら暗めの照明で、落ち着いてゆったりと時間を過ごすことができる癒しの空間。京都弁を話す店員さんたちは、なんともはんなりしていてカワイイ!

このカフェでは、いろいろな種類の「どら焼きパンケーキ」(以下「どらパン」)を楽しむことができる。こちらのどらパンはオーガニックのやさしい甘さが魅力の小倉あんと、低脂肪のホイップクリームを使用していて女性だけでなく男性にも人気。メイプルシロップではなく、自家製の和三蜜で味わうのがどらパンの醍醐味だ。

小さなパンケーキの間に、あんこや栗、白玉などが挟まっているという可愛らしい見た目で、黒いオシャレなプレートに乗って提供される。ふわふわっとしているように見えて、どら焼き生地はしっかりと固めの焼き上がり。中にはクルミが練り込まれていて、ところどころ歯ごたえもある。

「抹茶のどら焼きパンケーキ」をいただいてみたが、こちらは抹茶の白玉、抹茶アイス、抹茶ソースという抹茶づくしのパンケーキとなっている。ボリュームたっぷりなので、デザートとして食べるには通常のどらパンでも十分満足できるはず。

生地自体にもほんのりと甘さがついているので、なにもつけなくても美味しくいただける。なかのあんこはしっかりした甘さがあるので、お茶やコーヒーとともに楽しむとちょうどよさそう。

他にもイチゴやモンブラン仕立てのどらパンも。仲間とシェアしていろんな味をたのしみたい。

どら焼きのルーツはホットケーキ?


どら焼きといえば、2枚の生地のあいだにあんこが挟まっているのが定番スタイル。中身がこぼれることなく、手軽に片手で食べることができる点はパンケーキやホットケーキにない、どら焼きの魅力のひとつだ。

でもそんなどら焼き、実は西洋のホットケーキの影響から考案されたのだという。現在のような2枚の生地が合わさったスタイルは、江戸時代には存在しなかったそうで、江戸時代のどら焼きは皮が1枚だったようだ。

丸い生地の端をおりたたみ、四角い形状にしたもので、なかのあんこは片面からむき出された状態だったのだとか。この形状から現在のかたちになったのは大正3年(1914)、上野之和菓子屋である「うさぎや」さんがきっかけ。

そんな歴史を感じながら、古都・京都で和洋折衷の「どら焼きパンケーキ」をご賞味していただきたい。
(はなふさ ゆう)