「地溝油」含む食用油  食品大手など200社以上が購入/台湾

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(台北 5日 中央社)廃油などから製造された、いわゆる「地溝油」を含む食用油が流通していたことが4日、明るみに出たことを受け、江宜樺行政院長(首相)は同日、公衆衛生などを主管する衛生福利部に徹底調査を指示した。

刑事警察局(刑事局)によると、高雄や屏東などに10カ所以上の工場を持つ業者が、1年以上にわたって廃油などから製造した油を食用油や飼料として販売していたという。

食品薬物管理署は、食品会社の強冠がこの「地溝油」を購入し、ラードと混ぜて食用油として販売・流通させていたと指摘。すでに少なくとも782トンが取り引きされ、食品大手の味全、台湾糖業、盛香珍食品など200社を超える企業が購入しているという。

味全は昨年にも違法添加物を含む食用油を販売し、問題になっていた。同社は既存の検査体制に加えて、1億台湾元(約3億5000万円)を投じて新たな検査施設をつくり、安全性を確保するとしている。

専門家は精製されていない廃油で作られた食品や、調理時に排出される酸化物は健康を害する危険性があると指摘している。

台湾では近年、食品の安全性をめぐる問題が相次いで発覚しており、政府の対応に注目が集まっている。

(唐佩君、陳朝福、田裕斌、龍珮寧/編集:杉野浩司)