顔と顔を合わせて交わすのではなく、お互いの承認によって成立するソーシャルな名刺交換。

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電話やFAX、メールを「デジタル」と定義しましょうか。一方で「アナログ」な手紙の良さも捨てがたいわけで。当然、両者に存在意義があります。
では、名刺について考えてみたい。対面し、直接の手渡しで行われるから、名刺交換は「アナログ」にカテゴライズして良いと思います。さて、この名刺交換を「デジタル」に変換したら、どうなる?

というわけで、こちらを紹介しましょう。「株式会社山櫻」は、紙の名刺がなくてもデジタルな名刺交換を可能とするiOS/Andoroid 向けアプリ 「NAME CARD(ネームカード)」を7月15日より提供しております。

では、使い方について。まず、このアプリをダウンロード。そして自身の名刺情報(名前、住所、電話番号、役職等)を登録してください。ここからはもう、すこぶるデジタル。アプリをダウンロードした者同士ならば、なんと、いつでもどこでも名刺や連絡先の交換ができるというのです。

これの、何が利点だろうか? 一番は、自分で登録した名刺情報についてです。この手の情報って、よく変わるじゃないですか。部署が変わるかもしれないし、電話番号が変わるかもしれないし、もしかしたら所属する会社自体が変わることだってあるかもしれない。でも、渡した名刺は対面した時の情報のままです。
しかしこのアプリならば、勝手が違ってくる。もし自身の情報が変わったならば、アプリ上で最新のものに書き換えてください。すると、相手と交わした名刺の情報も更新されているというミラクルが可能になります!
要するに、出会いを“点”ではなく“線”に変えていくアプリと言えるでしょうな。

では、名刺の交換方法について。主に、以下の5通りが挙げられます。
(1)合言葉で交換
数人がいる場で合言葉を決め、皆がその合言葉を入力。すると、一人ひとりではなく一度で数人の名刺を交換し合えるという方法。研修やイベントなどに便利。

(2)メールで交換
名刺交換の依頼をメールソフトから送り、デジタル名刺交換ができる方法。「営業がお客様に訪問した後、会社に戻ってからサンクスメールを送る際にデジタル名刺交換を依頼」という活用法ができる。

(3)イベント交換
イベント主がイベント用IDとパスワードを設定。イベント参加者がそのID・パスワードを入力すれば、自動的にイベント主との名刺交換できる。

(4)Bluetooth 交換

(5)QR コード交換

このアプリ、便利ですよね。また「デジタル」と言えども、名刺管理ツールとは明らかな違いがあります。
「名刺管理ツールの場合、名刺を受け取った側が一人ひとりの情報を登録しなければいけません。しかしこのアプリならば、渡す側が書き込んだ情報をそのまま受け取れます」(同社・担当者)
なるほど。「名刺を“交換する”」と言うより、「名刺を見せることを“承認する”」という感覚の方が近いかもしれない。
また、名刺交換時にカレンダーと同期して交換日を記録できたり、交換した場所や相手の特徴をメモ書きし、より緻密な情報を保存することも可能です。

そんな同アプリのターゲット層は?
「やはり、ビジネスパーソンを主体に考えております。名刺交換自体は日本の文化なので、まず対面して交換していただく。でも、その後にデジタルデータも必要になってきますよね? その際は、アプリで情報交換していただければと思います」(担当者)
また、紙の名刺を所有していない主婦・学生にも有益なアプリとなるだろう。
「名刺データにはこだわっておらず、フェイスブックやEメールアドレス交換のツールとしてもご活用していただければと思います」(担当者)

今後は、ウェブ名刺発注サービス「corezo(コレッソ)」との連携も予定されている「NAME CARD」。corezoで紙の名刺を発注すれば、アプリにも情報が反映されるというシステムが構築されるようです。
また、関連アプリとして「NAME BOOK(ネームブック)」のリリースも予定されている模様。このアプリをダウンロードすると電話帳データがアプリに反映され、また交換した名刺の情報が電話帳に反映されるという、いわば“名刺ファイル”のような役割を果たす関連アプリも提供されます。

なるほど。まさしく、デジタルな名刺交換だな……。
(寺西ジャジューカ)