『名もなき毒』(原作・宮部みゆき/文春文庫) 2014年7月2日から新しく「名もなき毒」編。あさ10時5分からTBSテレビで再放送。(地域によっては放送タイミングが微妙に違うかも)

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『名もなき毒』がTBSテレビで再放送中だ。
今日7月1日が第5話、明日が第6話。
(関東広域圏ね、地域によっては放送タイミングが微妙に違うかも)

これが、いいドラマなんですよ。
ってのは、「小泉孝太郎がめっちゃハマり役。宮部みゆき映像化傑作「名もなき毒」再放送を見逃すな」で力説したから観てるよね?
え、観てない? ええええー、観てよ!
でも、もう明日第6話からじゃ出遅れた?
いえいえ、だいじょうぶです。
今からでも観るべき5つの理由を挙げます。

【1】明日第6話から新編だからだいじょうぶ。
『名もなき毒』の原作は、宮部みゆきの杉村三郎シリーズ『誰か somebody』と『名もなき毒』。
第1話から第5話までが『誰か somebody』原作。
そして第6話から第11話が『名もなき毒』原作。
というわけで、明日第6話から、新しく「名もなき毒」編スタートなのだ。
ここから観ても「途中からだからよく分からない!」ってことにはならない。だいじょうぶ。

【2】原田いずみが凄い!
「名もなき毒」編から登場する原田いずみ。
「はらだいずみ」じゃなくて「げんだいずみ」
主人公杉村三郎が勤める広報室の編集部に新人として入社した女性だ。
彼女が、すごい。
怖いのである。
第6話のタイトルは「謎の無差別連続毒殺事件と恐怖のストーカー」。
そう、原田いずみが恐怖のストーカーだ。
トラブルばかり引き起こし、履歴書も嘘だらけ。
注意されると泣いて帰る。にらみ返して逆ギレする。
「あいつ心に蛇をもつ女だ……」
一週間無断欠勤したあげく、「どうして謝らないの、悪いのはそっちでしょ!」。
会社を訴えると会長宛に手紙を送る。
「鬼気迫る」という言葉では足りないパワーで演じるのは江口のりこ。
映画 『戦争と一人の女』、ドラマ『時効警察』、CMなどに次々と出演。実力派女優だ。
ニヤリとする表情、逆切れの目、無表情にもどるタイミング。
すごい。
『名もなき毒』DVD-BOXのメイキングでは、撮影が終わっても原田いずみ役の江口のりこにおびえる子役。
いや、そりゃおびえます。
江口のりこさんは、子役に「あやまらないわよ」。
「名もなき毒」編の見どころのひとつは、原田いずみのエスカレート具合だ。

【3】無差別連続殺人事件も絡んでくる
もうひとつの事件は、無差別連続殺人事件。
犬の散歩をしていた古屋明俊は、コンビニで買った烏龍茶を飲んだ途中で倒れ、死んでしまう。
娘である古屋暁子は、犯人なのではないかと警察に疑われる。
暁子の娘(つまり死んだ明俊の孫)の古屋知香は摂食障害。演じるのは杉咲花(最近だと、CMau「あたらしい物語、はじまる」篇に登場してる美少女)。
この事件にも、杉村は巻き込まれてしまう。
杉村を軸に、無差別連続殺人事件と、原田いずみのストーカー事件が絡み合う。
尻上がりに盛り上がる展開になります。

【4】『ペテロの葬列』を観る前に
そして、いよいよ7月7日月曜日スタート『ペテロの葬列』。
初回は2時間スペシャル。
杉村三郎シリーズ映像化第二弾。
もちろん独立した作品として楽しめるだろうが、第一弾である『名もなき毒』を観ていれば、より興味深い作品になるはず。

というわけで、今からでもだいじょうぶ、『名もなき毒』の再放送をぜひ。
(米光一成)