ワールドカップもハローワークも1次突破や!

みなぎる自信。あふれるチカラ。日本代表をもっともよく知る人物からの力強いお墨付きの言葉に、僕は改めて勇気が吹き上がる想いです。前日本代表監督・岡田武史氏。日本人として唯一のワールドカップベスト16経験監督にして、Jリーグ3連覇を成し遂げた日本最高の名将。この岡田氏がワールドカップでの日本のグループステージ突破は問題ないと断言したのです。

21日のNHK「ニュースウォッチ9」に生出演した岡田氏は、「総合力で日本は上回っている」「特にコートジボワール・ギリシャに対しては日本のほうが上」であると断言。「コロンビアもファルカオがいなければかなりチカラが落ちるので、ひょっとしたら1位突破もあるのではないか」という見方を示しました。

僕はこの言葉に自分を委ねることにしました。

前々から薄々そう思ってはいましたが、やはりそうだったかと。コートジボワールは何やかんやでいつも負けているし、ギリシャには普通に勝ったことがあるし、コロンビアは本大会に出たり出なかったりしているくらいのチーム。日本がヒケを取るほどの相手はいない。薄々そう思っていたのです。

ただ、あんまり調子に乗るとマズイかなという気持ちで「本大会にラクな相手はいない」とか「厳しいグループ」とか、軽いウソをついていただけでした。本音は「よっしゃ、イケそうだな」しかなかったのです。僕は岡田氏の清々しいまでに確かな自信に、ちょっとだけ保険をかけていた自分が恥ずかしくなりました。

今、この日本に、自分が岡田氏よりもサッカーを深く理解している人物が何人いるでしょう。クチだけなら誰でも言えるでしょうが、実績も加味したらゼロじゃないでしょうか。岡田に乗れ。余計な保険を取り払い、目線を上げて勝ちに行く。そんな気持ちで、僕もまた自分を高めながら本大会に向かいたいと思うのです…。

ということで、岡田氏の日本代表への力強いエールと、自分の就職活動への力弱い意気込みを、21日のNHK「ニュースウォッチ9」からチェックしていきましょう。


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もし自身が監督の立場なら、岡田氏ももう少し違った言い方をしたかもしれません。あまりセンセーショナルな言葉を使うと、メディアが景気よく煽ったりして、対戦相手に余計な警戒心を抱かせてしまいますから。同じことをザッケローニ監督が言えば、相手方の新聞でも「日本強気」「格上宣言」「1位突破」くらいの見出しは出るでしょう。

しかし、少し距離を置けば話は別。まったく無関係の前任者が多少何を言っても、ライバル国も気にしていられないでしょう。ていうか日本国内ですら、岡田氏の言葉よりも、もう一代前のオシム氏の言葉のほうが珍重される傾向も感じますしね。岡田氏の顔が福山雅治だったなら、もっと国民的なヒーローになっていただろう…僕の胸もチクリと痛みます。

↓岡田氏は日本代表の展望を「問題ナシ。1次リーグ突破」と語る!
岡田氏:「はい、これです」

フリップ:「問題ナシ。1次リーグ突破!!」

岡田氏:「対戦相手の予選のビデオを全部見たんですけどね、総合力から言って日本が十分上回ってると思うんですよ。特にコートジボワール、ギリシャに関してはね」

岡田氏:「ただまぁ、チカラがあるチームが勝つかって言ったら、これはわからないですけど。客観的に見て日本のほうが上だなというのを感じてますね

岡田氏:「(世界ランキングは対戦国がいずれも日本より上だが)ランキングってのはね、そんなにアテにできないんですけど、実際試合を見て、日本人は謙虚さがあって心配性で、そうは言ってもドログバがいるし、そうは言ってもギリシャ守備固いしとかいろいろあるんですけど、そういうのヌキにして、トータルでチーム力として見てね、コロンビアもファルカオがいないとかなりチカラが…攻撃力が落ちるんで、日本にもひょっとして1位突破というチャンスもあるんじゃないかと

岡田氏:「ドイツでザッケローニと会ったとき昼飯一緒に食べてね。仲良いって言うか、同じサッカー仲間ですから別に罵り合うことはないです(笑)。代表の監督になられる前から知ってましたから。そういう話をしても、万全なら十分イケると言ってました」

武田が同じことを言ったら「寝言」扱いだろうなwwww

言ってる内容よりも言ってる人間が重要という例wwww


さて、そんな力強い言葉を残した岡田氏ですが、この日の出演テーマは別に本題がありました。それは2年間に渡る中国での監督生活について。「世界でキーになるこの国を、実際自分の肌で感じてみたい」という岡田氏が、実際に感じたものは何だったのか。それを掘り下げよう、ついでにワールドカップの話も聞こう…そういう出演依頼だったのです。

岡田氏は「サッカーには自分にまだわからないことがあるとヨーロッパで気付かされた」と語り、新しい挑戦を求めていたと振り返ります。そこにたまたまオファーがあったのが杭州緑城だったと。現地には反日教育・反日ムードがありますが、岡田氏は「グラスルーツ(草の根)の人と人の絆でなければ解決できない問題があるのではないか」「自分にとってはそれがスポーツではないか」と考え、中国行きを即決したのだといいます。

岡田氏が現地で伝えようとした「世界のサッカー」。2年間という期間では行動を変えるまでには至らなかったものの、その想いは伝わったのではないかと、岡田氏は振り返ります。例えば中国では根強く残る「人脈社会」的なるもの。そこでも岡田氏は壁にぶつかりながら、伝える努力を繰り返したのだとか。

↓岡田氏が語る中国の社会風土とのぶつかり合い!
岡田氏:「人と人とのつながりが社会の原点というか基盤にあるんですよ。人脈社会って言われる」

岡田氏:「例えばサッカーの世界でも上海出身の監督が就任すると、上海の選手しか試合に出られないとかね」

岡田氏:「僕が行って選手が何て言ったか、監督がきて一番いいのはチカラさえあれば試合に出られる、と。当たり前じゃないかと言うんだけど、そういう感じのところで」

岡田氏:「例えば移籍するにしても、オープンなマーケットとかが公開されていなくて情報が公開されていないんです。そうすると選手は人を…自分と同じ同郷出身のあのチームのコーチをつたって、仲間の選手をつたって移籍していくんです」

岡田氏:「僕がプロっていうのは違うぞ、お前らこうしなきゃいけないとい言うと、(選手は)監督の言う通りだと思う、その通りだと。でも監督の言う通りやってちょっと上手くなっても、僕らはビッグクラブに引き抜いてもらえない。来年クビになったときチーム紹介してくれるか?と」

岡田氏:「そんなの俺はできないって言ったら、じゃ今日悪いけど、相手チームのコーチとメシ食って贈り物をしといたら、ひょっとしたらクビになったら獲ってくれるかもしれない

岡田氏:「彼らは僕を裏切ろうとは思ってないんですよ。でも生きていくために、しょうがないっていうか。だから僕はある意味、頭にこなかったですよ」

岡田氏:「こいつら生きていくためにたくましいな。したたかだなと

岡田氏:「中国の歴史を見ても50以上の民族が征服して、そしたら従順なフリをしてまた征服してってのを繰り返してますよね。もし日本民族みたいにそんなのは筋が違う、正義が、なんて征服されながら言ってたら、たぶん日本民族が中国にいたら絶滅してると思うんですよ」

気持ちは伝わったのか…?

わかり合える気がしない感じもするが…?


このひとつの例だけでも、日本の考えで中国と渡り合っていくのはなかなかにしんどいものがありそうです。取引するだけなら最後は縁切りということもできるでしょうが、中国に根を張って生きていこうとしたら、まず相手の考えや常識を理解するだけでも困難。僕はちょっと中国では就職できそうもありません。

それでも岡田氏は自分の想いを伝え、相手の常識を理解しながら、中国という大きな壁と向き合います。監督就任一年目に起きた大規模な反日デモの中でも奮闘をつづけ、「誠心誠意伝えれば、伝わる」と改めて実感したとのこと。

↓岡田氏は「気持ちは伝わる」と実感させてくれた思い出深いエピソードを振り返る!
岡田氏:「誕生日(の話)でね。というか、あんまり勝ってないから、大した成績じゃないから。空港行くのに遠征行くのにクルマをとめたら、サポーターがいっぱいいるんですよ」

岡田氏:「えっこんなところで降りたらヤバイ、危ないと。運転手にもっと前に行けって言うのに、通じなくてそこにとめられたんですよ」

岡田氏:「やっばいなぁ。降りるのイヤだなぁ。でも逃げるわけにもいかないなぁと思って降りたら、みんながハッピーバースデーというヤツでね。そしたら公安が出てきてちょっと騒ぎになったんですけど」

岡田氏:「僕はそのとき、正直言うと中国行ったとき、自分の壁を乗り越えてやろう、もうひとつ上の指導者になってやろうと、自分のっていうのがが主語で行ってたんだって、そのとき思いましたね」

岡田氏:「僕らの仕事は選手でありサポーターを喜ばしてやること、自分じゃないんだって。そのときは飛行機で、また同じ失敗してるじゃないかって気付かされましたね」

運転手に指示出してる時点で逃げてるじゃないかwww

カッコいいような悪いようなwww


岡田氏は、青島のイトーヨーカドーが襲われたとかの報道だけを見るとすべてのヨーカドーが襲われたかのように見えるが、実際には普通に営業しているヨーカドーも結構あるのだと、自分の目で見たヨーカドーの現実を語ります。行って、見て、付き合ってみれば違うものが見えてくる。人間誰しも戦争などしたくない。日本も中国もそれは変わらないのだと。例えばサッカーのように、グラスルーツの付き合いを次の世代につなげていくことが未来に向けて大切なことなのではないか…そんな想いを抱いた模様。

なるほど、こういう大きな壁と向き合った男にすれば、対戦国が必要以上に大きく見えたりもしないのかもしれません。僕も普段は「日本は鎖国しろ」などと言う心の狭い人間ですが、心の出島くらいは設けたほうがいいのかもしれませんね。自分の視野を広げ、視線を上げていくために…。

↓ちなみに、岡田氏は大きな志とは別に、当面の生活には若干の不安を抱えているご様子!
岡田氏:「(このあとの活動は)まぁワールドカップ終わってから考えようかなと思ってるんですけど、今のところはコレといった仕事ないんでね」

岡田氏:「ハローワークにでも並ぼうかなと思ってるんですけど」

いや、そこでNHKのスタッフとメシ食って贈り物とかしないとダメでしょwww

中国で学んだものを活かして!


ハローワーク様、6月頃にサッカー指導者求職者が行きますのでヨロシク!